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お兄ちゃんとの大切な想い出SUB BBS LOG

「お兄ちゃんとの大切な想い出」予備掲示板の過去ログ【1】〜【118】です。2001年12月30日〜2002年2月19日12時のカキコが、すべて含まれています。余分なタグを除去して行間を広げた以外は、原文のままです。(管理人:お兄ちゃん子)


【116】新しい掲示板を開設しました。
2002年2月19日 11時46分56秒 - お兄ちゃん子
昨日はメインBBS、サブBBS、萌えバナBBSの3つが同時にメンテ中で、
連載の告知ができませんでした。

サブBBSだけは18xbbsとは別のサーバーでしたから、
メンテが重なるとは予想していませんでした(^_^;

ここ1週間ほど、適当なレンタルBBSはないかと探していたのですが、
最近メンテ中が多くなり、ログの一部消失事件も起こりましたので、
急遽BBSを移転することにしました。

JBBS@したらばに開設した新しい掲示板は、
これまでのメインBBS、サブBBS、萌えバナBBSの3つを統合したものです。

この旧掲示板も、閲覧モードで残しておきますけど、
新しいカキコは、新しい「お兄ちゃんとの大切な想い出BBS」にお願いします。
http://jbbs.shitaraba.com/movie/377/


【112】「連載234(ここでの連載053)」がアップされてますな。
2002年2月19日 3時16分15秒 - すくりーむ
今夜は3つのBBS全て落ちてましたな。ログが無事ならいいが…。
# 特にわたしの書いた吉野家改変(笑)

このSub BBSはとりあえず復活したようだが、楽観はできませんな。
BBSの移転を考えた方がいいかもしれませんね。
【113】おっと
2002年2月19日 3時21分49秒 - すくりーむ
111に繋げた方が良かったか?まあいっか。

とりあえず連載234の感想。

「もっとエロさを!」

【114】ついでにここにも貼っとくか。
2002年2月19日 3時25分42秒 - すくりーむ
そんな事よりお兄ちゃん子さんよ、ちょいと聞いてくれよ。スレとあんま関係ないけどさ。

昨日、近所の映画館行ったんです。映画館。
そしたらなんかカップルだらけで肩身が狭いんです。
で、よく見たらなんかどいつもこいつも兄妹らしいんです。

もうね、アホかと。馬鹿かと。

お前ら、兄妹で映画館なんか来るんじゃネーヨ、ボケが。
兄妹だよ、兄妹。

なんか妹2人連れてる奴とかいるし。兄妹3人で映画か。おめでてーな。
よ−しお兄ちゃんポップコーン買って来るぞ〜、とか言ってるの。もう見てらんない。
お前らな、うちの姉貴やるから妹よこせっての。

映画館ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
隣に座った奴とやれ肘が当たっただの膝がさわっただのと、いつ喧嘩が始まってもおかしくない、
刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。

で、やっと座れたかと思ったら、隣の野郎が、その隣に座った女に「お兄ちゃん」、とか言われてるんです。
しかもその女が、どう見ても男より年上、ボンキュッボンのナイスバディ。

そこでまたぶち切れですよ。

あのな、「お兄ちゃん」なんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。
得意げな顔して何が、「お兄ちゃん」、だ。
お前は本当にお兄ちゃんなのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前、人前で「お兄ちゃん」って呼ばれたいだけちゃうんかと。

妹通の俺から言わせてもらえば今、妹通の間での最新流行はやっぱり、
貧乳、これだね。

眼鏡っ娘・貧乳・ショートカット。これが真の妹ってもんだよ。
貧乳ってのは鎖骨が浮いてる。そん代わりパイズリできない。これ。
で、さらに眼鏡かけててショートカット、これ最強。

しかしあまり理想を追求しすぎるといつまでたっても彼女ができないという危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦め出来ない。

まあお前らド素人は、エロゲの義妹でハァハァしてなさいってこった。

【115】Re:「連載234(ここでの連載053)」がアップされてますな。
2002年2月19日 11時43分24秒 - 姉は女帝
ハゲシクワラタ

【117】>すくりーむさん
2002年2月19日 11時51分3秒 - お兄ちゃん子
ホームページやここの【116】で告知したように、
掲示板をまとめて移転することにしました。
吉野屋のコピペは……削除しないでおきます(笑)。


【111】連載234へのレス 晴れ着のかわいらしさに対抗するには
2002年2月19日 0時40分59秒 - じゅん
お兄さんからプレゼントされたパジャマで
猫に変身するしかないでしょう(笑)
【118】>じゅんさん
2002年2月19日 11時52分6秒 - お兄ちゃん子
パジャマ姿で、初詣に行くわけにはいかないでしょ?(笑)


【108】ホームページに連載209を掲載しました。
2002年1月23日 19時9分11秒 - お兄ちゃん子
ホームページに、「連載209(ここでの連載028)」を掲載しました。
感想は、このスレにぶら下げてください。

(今日もメインBBSがメンテ中でつながりませんので、こちらに書きました)
【109】お話がおもしろいのは読書量のたまもの ?
2002年1月23日 20時40分56秒 - じゅん
国語のテストで満点というのは、すごいなぁ。
お話がおもしろいのは読書量のたまものかな ?
これから女の戦いが始まるのか・・・(わくわく) (笑)

【110】>じゅんさん
2002年1月24日 14時43分49秒 - お兄ちゃん子
満点といっても、中1のテストですからねぇ……。
高校に入ると、満点なんてめったにありませんでした。
話がおもしろいと言われると、不思議でしょうがありません。
書いているわたしは、確かにおもしろくて書いていますが、
こんな筋書きもないだらだらした文章の、どこがおもしろいのでしょう?


【104】ホームページに連載207を掲載しました。
2002年1月22日 21時25分36秒 - お兄ちゃん子
ホームページに、「連載207(ここでの連載026)」を掲載しました。
感想は、このスレにぶら下げてください。

(メインBBSがメンテ中でつながりませんので、こちらに書きました)
【105】Re:ホームページに連載207を掲載しました。
2002年1月22日 23時17分52秒 - 勝手にしろくま
メインの掲示板がメンテやってるんでこっちに来てみれば
どうも早い時間からメンテやってるみたいですね。

いや〜しかし台本の書き直し大変でしたね。
案外台本を書くよりも、書き直しの方が神経使うかもしれないですね。
ストーリーを一回頭に入れてからでないと作業出来ないですし、
前後のつじつまが合うように修正しなければいけませんからね。
うん、本当にご苦労様でした!

余談ですが、体の柔らかい人はあまり肩こらないらしいですよ。
関係あるかわかりませんが、僕は昔から体が柔らかい方なので、
肩がこるという事がほとんどないですね(20代です)。
毎日お風呂あがりにストレッチすれば肩こりの症状もそんなにヒドくは
ならないと思いますよ。
まあ体にいいんで一度お試しあれ。

【106】Re:ホームページに連載207を掲載しました。
2002年1月23日 0時50分16秒 - 名無しさん
肩こりといえば、うちの妹は中学時代から肩凝った肩凝ったといって、わたしゃよく揉まされました。実際はうつぶせにして肩と言わず全身揉まされまくり。特に足の裏がお気に入りだったようです。
ずっとその調子で続いてきたから気にしてなかったけど、よくよく考えれば高校生になってもパンツの上からお尻を揉ませていたというのはどうしたものか。

昨年末に妹と久しぶりにあって肩を揉みっこしました。昔を思い出してちょっと切ない気持ちになりました。

【107】まとめレスです。
2002年1月23日 8時38分33秒 - お兄ちゃん子
>勝手にしろくまさん
昨夜はお風呂に入って、ストレッチしたら少し楽になりました。
昔からお風呂には白い温泉入浴剤を入れています。とても温まります。

>106さん
わたしも肩こり性だったので、よくお兄ちゃんに揉んでもらいました。
手が触れなかったのは……あそことあそこぐらいかな?
頭皮(こめかみや脳天)を揉まれるのが意外と気持ち良いです。
あと、手のひらと足の裏も。
首筋や背筋、耳の後ろは、ぞくぞくしてしまって困りました。


【101】こちらの掲示板を予備に格下げします。
2002年1月10日 18時26分28秒 - お兄ちゃん子

こちらの掲示板のほうが不安定なようなので、格下げして予備掲示板とします。
連載は、ホームページに掲載することにします。
メイン掲示板が落ちているときのレスは、こちらにカキコ願います。
【102】Re:こちらの掲示板を予備に格下げします。
2002年1月22日 18時56分10秒 - プペポ
今現在メインがメンテ中ナリ。
ここはよく頻繁にメンテするのね。
可笑しいね。

僕もね22のくせして、肩こりに悩んでおるのですよ。
たまーに接骨院行ってマッサージしてもらうのですよ。(1回400円ナリ)
でも直らねェモンですよ。
今はバンテリン塗って様子見。
後、家電屋行ったらお試しのマッサージ椅子を占領する。これ最強。
最近のは音声が出るんだから凄いねェ。

【103】>プペポさん
2002年1月22日 19時47分54秒 - お兄ちゃん子
マッサージ椅子だとどうもすっきりしませんね。
整骨院でマッサージしてもらったこともありますけど、
施術する人によって上手い下手がありますし。
昔からマッサージされ慣れてるお兄ちゃんの指が、
一番気持ち良いです。


【92】寒くて目が覚めた。
2002年1月9日 3時7分29秒 - お兄ちゃん子

頭がガンガンして寒い。咳や洟は出てないけど、風邪ひいたみたい。
38.1℃の熱。3年ぶりの風邪。明日の連載は休みます。
【93】こんなときのための
2002年1月9日 3時10分6秒 - お兄ちゃん子

薬も用意してる。毛布も氷枕もある。
夜が明けたらお兄ちゃんに来てもらうから心配しないで。

【94】92と93をだれか
2002年1月9日 3時11分53秒 - お兄ちゃん子

予備の掲示板にも転載しておいて。お願い。

【95】Re:寒くて目が覚めた。
2002年1月9日 4時25分26秒 - TKS
あやや、大丈夫でしょうか……
お兄さんに看病されて、ゆっくりお休みください。
お大事に。

いつの日か、このときの話も連載に乗るんだろうか、とか考えてみたり(汗

【96】Re:寒くて目が覚めた。
2002年1月9日 6時54分41秒 - gagi
何気にこんな時間に来てみたら大変なことに。
レスも何だかたどたどしくて心配です。
無理なさらずしばらくお休みください。
TKSさん転載ご苦労様でした。

【97】Re:寒くて目が覚めた。
2002年1月9日 7時44分15秒 - 冬大
最近の疲れが出てしまったんでしょうか?
ここんとこ、色々ありましたから。どうかお大事に。
TKSさん、転載お疲れ様です。

【98】Re:寒くて目が覚めた。
2002年1月9日 15時27分42秒 - DF
gagiさんも書いてるけど、レスのたどたどしさは心配ですね。
今ごろはお兄さんに看病されて、回復に向かってるかもしれないけど。
でも、風邪はナメちゃだめです。ひどいことになることありますしね。
しばらくのんびりして、休まれてはどうですか?
2chと違って、スレが落ちることはありませんからね(笑)。
元気なお兄ちゃん子さんと再開できるのを待ってます。

【99】Re:寒くて目が覚めた。
2002年1月9日 19時0分47秒 - 蛍
ちょっと心配ですが、お兄さんに頼れるのなら大丈夫ですよね。
無理せず、完全に直してから戻ってきてください。
お大事に。

【100】Re:寒くて目が覚めた。
2002年1月9日 23時12分47秒 - 勝手にしろくま
がーん・・!!お兄ちゃん子さんが大変なことに・・(あたふた)。

連載はしばらくお休みにして養生された方がいいですよ。
一に休養、二に栄養です。


【86】●ここでの連載017●
2002年1月8日 19時46分16秒 - お兄ちゃん子
(【69】の続き)

「○○ちゃん、すっきりしたー?」

「うん、すっきりした。V、重いよ」

「わたしそんなに重くないよー」

Vがむくれながら離れました。

「ふふっ、ごめん、V。ありがとう。みんな、ありがとう」

「気にしんとき。困ったときはお互い様や。
 兄ぃ、ちょっとは見直したで」

「気味悪いなぁ……褒めてもなんにも出ないぞ」

「あーもう! せっかく褒めてんねんから素直に聞いとき。
 一生に一度あるかないかのチャンスやねんから」

「酷いなぁ……」

Uが笑いだし、それが伝染してみんなで笑いました。

「ねー、みんなで晩ご飯食べようー?」

そうVが提案しましたが、Yさんは遠慮しました。

「えっと、急に来てそれはまずいんじゃないかな」

「わたしも帰る。目が腫れてるの、家の人に見られたくないし」

「そうやな、今日はこのへんでお開きにしよか」

「えー? みんな帰っちゃうのー?」

「またみんなで集まったらエエやん」

「お兄さんもまた来てくださいねー?」

「うん、楽しみにしてるよ」

YさんとUが、わたしを家まで送ってくれることになりました。
Vの家を出てすぐ、UがYさんに話しかけました。

「兄ぃ、Vには彼氏がいるんやから、懐かれても勘違いしたらアカンで?」

「わかってるって、それぐらい」

Yさんは苦笑いして、両腕をぐるぐる回し、「あーあ、今日は疲れた」
とこぼしました。

「お兄さん、今日は本当に、ありがとうございました」

「あ、そ、そんなつもりで言ったんじゃないんだ。
 気にしない気にしない。少しでも役に立てたら良かった」

「はい」

「だけど……正直、お兄さんが羨ましいな」

「え?」

「こんなに心配してくれる可愛い妹がいるんだもんな……」

振り向くと、Uの目が危険なほど細められていました。

「……って、俺にはUがいるから別に羨ましくはないな」

「取って付けたように言わんとき。ふん」

「U」

肩を叩こうとしたYさんの手を振り払って、Uは駆けていきました。

「先に帰って晩ご飯の支度しとくわー」

「またねー」

Uが見えなくなると、Yさんはため息をつきました。

「ハァ……あいつはどうしてああなのかなぁ?」

「お兄さん、わたしも羨ましいです」

「へ? なにが?」

「Uには優しいお兄さんがいますから」

「ハハハ、○○ちゃんのお兄さんのほうが優しいよ」

「それに、Uはいつもお兄さんといっしょに居られます」

「まぁ……いるとうるさいけど、いなくなると淋しいだろうなぁ」

家の前まで来て、Yさんが言いました。

「じゃ……俺は頼りないけど、なにかあったら相談に乗るよ。
 遠くのお兄さんより近くのお兄さん、って言うしねっ?」

「ふふふっ。面白いです。お兄さん」

「そう? やりぃ!」

Yさんはガッツポーズを取ってから「じゃ、またね」と去って行きました。
Yさんを見送って、わたしは家に入りました。
自分に友達が居て良かった、としみじみ思いながら。

心の奥底には、まだ重しが沈んでいましたが、
その痛みは、耐えられないほどではありませんでした。

それから、数日が経ちました。
下校の途中で校門に差し掛かると、cさんが壁に寄りかかっていました。
わたしはUとVにささやきました。

「わたしに用みたいだから、ちょっと行ってくる」

「わたしらもいっしょのほうがエエんと違うか?」

「じゃあ、遠くから見てて」

わたしが1人で近づいていくと、cさんは壁から背中を離しました。

「こんにちは」

「よう。こないだの約束のお返し、そろそろいいだろ?」

「今日はこれから図書館に寄ります。今度の日曜で良いですか?」

「お、いいぜ。どこ行く?」

「駅前のロータリーの屋根の下で、1時に待ってます」

(続く)
【87】さっきカキコしようとしたらメンテ中(とほほ)
2002年1月8日 19時51分22秒 - お兄ちゃん子

連載を書き上げて、さあカキコしようとしたら、掲示板がメンテ中でした。
そこでホームページのほうに、暫定的に最新の連載を掲示しました。

ところが、そのあとすぐメンテは解除されたようです。
……なにやってるんだろう、わたし(とほほ)。

夜のあいだに時々、この掲示板はメンテに入るみたいなので、
これからも最新の連載だけ、ホームページのほうにも掲示することにします。

【88】Re:●ここでの連載017●
2002年1月8日 20時43分5秒 - 勝手にしろくま
嵐の予感・・

>お兄ちゃん子さん
どもども。ホームページ開設したんですね。
おめでとうございます。たった今行ってきました。
いい感じに出来てますよ。
そのうちチャットにでも顔を出してみよっかな。

【89】予備の旧掲示板にも連載を再掲します。
2002年1月8日 20時44分17秒 - お兄ちゃん子

夜のあいだ、この掲示板(http://bbs.1oku.com/bbs/bbs.phtml?id=onichank)も
不安定になることがあるようなので、旧掲示板にも連載を再掲することにしました。
メイン掲示板が落ちているときは、旧掲示板にレスを付けてください>all
http://bbs.18xbbs.com/bbs/bbs.phtml?id=onichank

【90】Re:●ここでの連載017●
2002年1月8日 23時55分5秒 - 90℃
名実共にHP旗揚げですね♪
掲示板と同ベースなのが、違和感無くてイイ感じです。
でも、ソースをいじって作っちゃうとは・・・硬派ですね。(^ ^

平素の連載に加え、掲示板の管理も仲々大変で、お疲れ様です。

ところで、この所グングン格好良くなって、人気沸騰のY兄ぃですね。
嗚呼それに引き換え、R君は一体いずこの空の下・・・。
ワタシはチト寂しい。(x x

【91】Re:●ここでの連載017●
2002年1月9日 2時16分42秒 - 名無しさん
>90℃
R君・・・。なつかしい響きですね。そんな人もいたか(w

Vもなんか可愛いです。「顔を引き締めてると」けっこうな美少女らしいし。
気になるかも。性格は・・・少なくとも悪い人ではなさそうですね(笑)


【74】ホームページを作りました。
2002年1月7日 19時55分36秒 - お兄ちゃん子

午後から時間があったので、一念発起してホームページを作ってみました。
この掲示板と、抽出係さんのHPと、90℃さんのHPにリンクを張りました。
この掲示板のソースを参考にしましたので、なんとか半日でできましたが、
見栄えはへぼへぼです(がっくり)。
綺麗なホームページを頻繁に更新している人は、ホントに偉いと思います。
わたしはあんまり頻繁に更新できそうにありませんけど、
一応ブックマークをお願いします>all
この掲示板の一番下の【ホームページへ】ボタンからも飛べます。
index.html

【75】Re:ホームページを作りました。
2002年1月7日 20時10分17秒 - 某コテハン
HP立ち上げおめでとうございます!
応援してますので、これからも頑張って下さい。ほどほどに。

【77】Re:ホームページを作りました。
2002年1月7日 23時45分33秒 - 陸前
関連スレ共々、3あたりからROMってた者ですが、
ログの取得の間隔があいていたため、8→ここで置いてきぼりを食らっていました。
またーりできていいですね。これからも応援してます。

2ch飛び出しても萌え転がるんだ…。じゃ私も部屋片付けて準備、と。

【79】まとめレスです。
2002年1月8日 10時7分29秒 - お兄ちゃん子

>75 某コテハンさん
ありがとうございます。ホームページ作りは手間がかかりますね。
凝るのはやめておくことにします。

>77 陸前さん
はじめまして。おかえりなさい。
これからもマターリ楽しんでいただけると嬉しいです。

【82】Re:ホームページを作りました。
2002年1月8日 11時43分4秒 - 姉は女帝
わわ、新ホームページですか?
なんだかこのごろブックマークがものすごい勢いで増えていくよ(笑)
ホームページの方、また夜にでものぞいてみようかな、と。

【83】Re:ホームページを見てきました。
2002年1月8日 12時35分13秒 - 冬大
ホームページ設立おめでとうございます。
チャットもできるんですか?(嬉々)
思わず学校のパソコンにブックマークするところでした
ホントに嬉しい


【69】●ここでの連載016●
2002年1月7日 13時41分37秒 - お兄ちゃん子
(【63】の続き)

Yさんも、腕組みしてうなずきました。

「俺も前に話したことあるけど、お兄さん、良い男だと思うよ。
 ちょっと妬けるけどね。○○ちゃんが落ち込むことないんじゃない?」

「暴力はイヤですけど、そのことで落ち込んでるんじゃないんです」

「じゃあ、どうして?」

わたしは3人の顔を見回して、まつげを伏せ、考えをまとめようとしました。

「弱い者いじめをする人が殴られても、同情はしません。
 当然の報いだと思います。
 でも、何度も絡まれてるのを助けた、というのは不自然です」

「どういう意味や? まさか、ヤラセやったっちゅうんか?」

「それは厳しすぎる見方だと思うな……。
 俺が同じ男だから弁護したくなるのかもしれないけど」

「ヤラセじゃなくて、実際にお兄ちゃんは助けたんだと思います」

「だったら問題無いんじゃないの……? 立派じゃないか」

「○○ちゃんなにが気に入らないのー?」

Vも首を傾げています。
わたしは下を向いたまま、噛み締めるように言葉を紡ぎました。

「困っている人を助けたのは、立派だと思います。
 ……でも、動機はたぶん、違います」

「動機、ってなんのこと?」

「お兄ちゃんは、正義の味方だから助けたんじゃない、と思うんです。
 1回ならともかく、何回もそんな現場に居合わせるなんて、不自然です。
 たぶん……憂さ晴らしに殴る相手を探していたんです。
 弱い者いじめしている人を殴っても、非難されることはありませんから」

自分の口から出た言葉が、槍のように胸を刺しました。
Uが、驚きを隠せない声で言いました。

「驚いたわ……アンタが、そんなこと言うなんて思わへんかった。
 アンタは兄ちゃんのことを神様みたいに思ってたんと違うのん?」

「思ってた……でも、どうして忘れてたんだろう。
 わたし昔、お兄ちゃんが暗い暗い目をしてるの、見たことある」

Yさんが、控えめな声で尋ねてきました。

「昔、なにかあったの?」

「昔だけじゃないんですけど……わたしの家は、両親の仲が悪いんです。
 それだけじゃなくて、両親とわたしたちの仲も……。
 お兄ちゃんは、きっと鬱憤が溜まっていたんでしょう。
 お父さんに殴られても、黙って耐えて……。
 でもお兄ちゃんは、わたしには優しかった」

喋れば喋るほど、胸の中が空っぽになっていくようでした。
わたしの目にはもう、何も映っていませんでした。

「わたし……馬鹿でした。考えればすぐにわかることなのに。
 お兄ちゃんがわたしを守ってくれてた。わたしは何にもできなかった。
 お兄ちゃんは強くて優しくて何でもできるから平気なんだ、
 って勝手に思い込んで!
 馬鹿みたい……ホントに馬鹿みたい。
 平気なはずないのに。泣きたかったはずなのに。
 わたしには、泣きたいときは泣いたほうが良い、って言うのに。
 自分はちっとも泣かなくて。
 わたしが居たからかな……。
 わたしのせいで、お兄ちゃん泣けなかったのかな……」

最後のほうは、独り言のようになってしまいました。
突然、がばっとVが後ろから抱きつきました。

「○○ちゃーん、泣いちゃダメだよー」

「え……? わたし、泣いてる? あれ……? おかしいな」

それまで乾いていた目蓋が熱くなり、涙が溢れてきました。

Yさんの、うわずった声が聞こえてきました。

「えっと……うまく言えないけどさ……。
 お兄さんは、○○ちゃんを守りたかったんだと思う。
 だけどね。泣けないよ。自分が泣くと○○ちゃんも泣いちゃうからさ。
 ○○ちゃんのせいじゃないよ。男ならそうするって。
 俺は、お兄さん、やっぱり立派だと思うな。
 ……それにさ、ここで話していても、ホントのことわからないじゃない。
 今度お兄さんと会ったとき、ゆっくり話してみるといいと思うよ」

「兄ぃ……エエこと言う」

「……そうですね。わたしが泣いたら、ダメですね」

「うーん……泣いてもいいと思うけどな。
 ○○ちゃん、真面目すぎるよ。
 泣きたいときは、いっしょに泣けばいいじゃない。
 泣いてばっかりじゃ困るけど、泣いたらすっきりするんだからさ、ね?」

わたしは、何度も大きくうなずきました。

(続く)
【70】Re:●ここでの連載016●
2002年1月7日 17時12分18秒 - 冬大
Y兄さんに同意。
お兄ちゃんは無理にではなく自分の意思で貴女を守ろうとしたんでしょう。
でも、お兄さんに本当の事を聞いても返ってくる答えが予想できてしまうような。
どうするんだろ・・・

【72】Re:●ここでの連載016●
2002年1月7日 19時35分17秒 - 勝手にしろくま
うるうる・・お兄ちゃん子さんのお兄さんはイイ人だよー!
イイ人なんだよぉぉ〜!!
・・なんですが、男としてお兄ちゃん子さんのお兄さんに憧れますな。
僕もお兄さんみたいな男になりたいですね、うん。
しかし現実は・・妹に頭があがらん・・。

>ゴロちゃん
どもども。連載は抽出係さんのトコで全部読みましたよ。
なんか久々にガツーンと来ちゃいました。
ゴロちゃんがゴロゴロする気持ち、よ〜くわかります(笑)。

【76】Re:●ここでの連載016●
2002年1月7日 20時33分52秒 - DF
Y兄、カッコいいぜ!
それと、友だちっちゅーのはええもんですね、やっぱり。

【78】Re:●ここでの連載016●
2002年1月8日 7時43分17秒 - 名無しさん
Y兄のキャラ、最初とめちゃ変わってますね。
いまはちとカコイイ。

【81】まとめレスです。
2002年1月8日 10時14分13秒 - お兄ちゃん子

>70 冬大さん
>72 勝手にしろくまさん
お兄ちゃんを褒められると嬉しいです。でも、完璧超人じゃありませんよ。
強い光でできた影がまた、魅力的なんですけどね(笑)。

>76 DFさん
>78 名無しさん
Yさんも格好良いでしょ? ちょっと頼りないところが可愛いです。

【84】Re:●ここでの連載016●
2002年1月8日 19時31分52秒 - ゴロちゃん
  ∧_∧
 ( ・∀・)
 (    )
 | | |
 (__)_) (・∀・)
Yニイサンカコイイ!!シロクマサンモイイ!!オニイチャンコサンイイ!!モナーイイ!!

【85】Re:●ここでの連載016●
2002年1月8日 19時33分2秒 - ゴロちゃん
  ∧_∧
 ( ・∀・)
 (    )
 | | |
 (__)_) (・∀・)
Yニイサンカコイイ!!シロクマサンモイイ!!オニイチャンコサンイイ!!モナーイイ!!


【63】●ここでの連載015●
2002年1月6日 10時47分31秒 - お兄ちゃん子
(【58】の続き)

「本当に美味しいパフェなんですよ?」

「あのなぁ……」

言葉が途切れたところに、後ろから声を掛けられました。

「○○、なにしてるんや!」

わたしが振り返ると、UとYさんが立っていました。

「もう……待ってても来うへんから迎えにきたで。
 Vもお待ちかねや」

「……?」

約束した覚えはありませんでしたが、Uが助け船を出してくれたのだ、
とわかりました。

「ごめんなさい、遅くなっちゃって」

Yさんがちらちらcさんを見ながら口にしました。

「○○ちゃん、行こうか」

わたしは向き直って、cさんに頭を下げました。

「そういう訳ですので、失礼します。またいずれ、ご馳走します」

cさんは難しい顔をしていましたが、肩をすくめました。

「じゃ、またな」

わたしは、UとYさんのあいだに挟まって歩きだしました。

「U、ありがとう。お兄さん、ありがとうございました。
 でも、どうしてわたしがここに居る、ってわかったの?」

「アンタの様子が変やったから、急いで帰って兄ぃを連れてきたんや。
 途中からアンタらを付けてたん、気ぃつかへんかったか?」

「ぜんぜん」

「鈍ぅ〜。遠くから見てたら、なんや困ってるみたいやったから、
 声かけたんや。案の定やったな」

Yさんが控えめに、口を挟みました。

「○○ちゃん、あの男、なんなの?」

「3年の先輩で……お兄ちゃんの、知り合いです」

「ちょっと……柄悪そうな感じだったね。
 知らない人をどうこう言うつもりはないけど、さっきは緊張したよ」

わたしには、返す言葉がありませんでした。
黙って歩いていくと、いつの間にかVの家の近くに来ていました。

「……U? ホントにVが待ってるの?」

「そうやで。アンタがいつにも増して暗いからなぁ。
 ぱーっとケーキでも食って憂さ晴らそう思うてな。
 Vに頼んだんや」

VとUにYさんを加えて、Vの部屋で即席のパーティーが始まりました。
わたしはみんなの気遣いが嬉しくて、知らず知らず微笑みながらも、
いつしかひとつの考えに心を奪われていました。

「○○、どないしたんや? ぼーっとして」

「あ、ごめん……」

「そろそろ話してくれへんか?」

「……なにを?」

「アンタが何をそんなに悩んでるかっちゅう理由をや」

「悩んでるように……見えるかな」

「アンタがぼーっとしとるのはいつものこっちゃけどな、
 目が泳いでるのはおかしいで。
 わたしらで役に立つかどうかわからへんけど、
 話したほうがスッキリするんと違うか?」

YさんとVがうむうむとうなずきました。
わたしは居住まいを正して、口を切りました。

「お兄さん、殴り合いの喧嘩をしたこと、ありますか?」

「え、え、俺? そりゃまぁ、何回かはあるけど……」

「どんな時、するんですか?」

「えーと……口喧嘩じゃ収まりがつかなくて、
 我慢できなくなった時かな。
 こっちから手を出したことはないけど、やられたらやり返すね」

「いったいなんの話やのん?」

「○○ちゃん喧嘩するのー?」

3人とも、話の流れが見えなくて、戸惑っているようでした。

「わたし、cさんに、お兄ちゃんの話を聞いた。
 お兄ちゃんは、何かに悩んでたんだと思う。
 だから、気を紛らわせるために、喧嘩してたんじゃないかな……」

「うーーん……アンタが暴力嫌いなんは知ってる。
 せやけどなぁ……言うてわからんヤツもおるねんで?」

「……お前は手が早すぎるんと違うか?」

「兄ぃは黙っとき! わたしの話の途中やで。
 えっと……アンタには話してへんかったけど、
 アンタの兄ちゃんの噂には喧嘩の話もあったんやで」

「どんな?」

「女子が街で絡まれてる時に、助けたコトが何遍もあったんやて。
 下心があって助けたわけやない、て名前も言わへんかったらしいけど、
 アンタの兄ちゃん有名やん。すぐにわかるで」

「そう……」

「エエ話やん、な?」

「○○ちゃんのお兄さんカッコイイー!」

(続く)
【64】Re:●ここでの連載015●
2002年1月6日 13時51分57秒 - ゴロちゃん
  ∧_∧
 ( ・∀・)
 (    )
 | | |
 (__)_) (・∀・)
スゴイヤロ? オニイサンカコイイ!!

【65】Re:●ここでの連載015●
2002年1月6日 13時55分5秒 - ゴロちゃん
暗い連載でもかまわないですよ〜
ヤパーリそういう部分も乗り越えないと
にんげんは大きくなれないですからね。

余談:ヤター!アルマゲドンオトシオワッタヨ!!

【66】Re:●ここでの連載015●
2002年1月6日 14時45分33秒 - 冬大
暗〜い話だと気分も沈んでしまいがちかも。
気分転換はしといたほうがいいですよ。
療養中のポイントです

【67】Re:●ここでの連載015●
2002年1月6日 18時46分21秒 - 姉は女帝
お兄ちゃん子さんのお兄さんカコイイですね〜
自分は腕力でどうこうするのは苦手ですよ・・・。
倫理観と腕力を持ち合わせた人には素直に憧れますね。
このあとまた急展開なのかなぁ。

あ、それとお兄ちゃん子さん。
提案ですが、暗い話ばかりでキーボードを打つ手が進まないときは
予備の掲示板の方に外伝的な話を書き込んでみるとかどうでしょうか。
気が向いたときなどに、今までの連載で書き逃したエピソードなどをつらつらと。
せっかく使ってない掲示板があることですし、どうでしょうか?

【68】まとめレスです。
2002年1月6日 20時57分6秒 - お兄ちゃん子

>66 冬大さん
はじめまして。
>64-65 ゴロちゃん
>67 姉は女帝さん
わたしにとっては、この辺りはまだぜんぜん暗いうちに入らないので、
ご安心ください。気が浮き立つわけではありませんけど、
鬱になることはありません。

連載の続きは、まだ書き上げていません。
連載016は、明日のお昼頃にカキコできると思います。

【71】Re:●ここでの連載015●
2002年1月7日 19時13分10秒 - Y兄ファン
まだ暗い話のうちに入らないのか(汗
まだお兄さんの秘密?って話が続くのかな

【73】>Y兄ファンさん
2002年1月7日 19時52分16秒 - お兄ちゃん子
あの……この時期は、わたしの中では、心温まる想い出なんですけど……(あせ)。


【58】●ここでの連載014●
2002年1月5日 19時35分51秒 - お兄ちゃん子
(【46】の続き)

放課後、わたしはUとVに声を掛けました。

「2人とも、先に帰っててくれる? わたし、用事が残ってるの」

「まさか……c先輩に呼び出されてるんやないやろな?」

「違うよ」

「なんやの?」

「……ごめん、言えない」

わたしはうなだれました。なぜだか、話したくなかったのです。
Uは「まぁ、エエけどな」と言って背を向けました。
Vは悲しそうな顔をして、Uの後を追いました。

ちくちく痛む胸を抱えて、3年生の下足箱に向かいました。
出口の外に立っていると、先輩たちが前を通り過ぎます。
こちらに目を向ける人も居ましたが、わたしは視線を動かしませんでした。

出てくる人影が少なくなってきた頃、cさんの顔が現れました。
cさんは立っているわたしに気づいて、歩み寄ってきました。

「なにしてんの?」

「先輩をお待ちしていました」

「へぇ。意外と積極的なんだ? いっしょに帰るか?」

「はい」

cさんの横にいた男子の先輩が、にやにやしながら歩いていきました。
わたしはcさんと肩を並べて、歩きだしました。

「○○、オマエ歩くの遅いな」

いきなり呼び捨てにされて、びっくりしました。

「はい?」

「付き合ってることにするんなら、呼び捨てのほうがいいだろ?
 それとも待ってたってことは、マジで付き合うつもりか?」

「違います」

cさんの顔が渋くなりました。

「オマエ……俺を舐めてるのか?」

「え……? わたし、なにか失礼なこと言いました?」

cさんの態度の急変に、わたしは驚きました。
わたしを睨みつけてくる瞳に、ぽかんと見入りました。

cさんは首を振り振り言いました。

「オマエ……ホントに変わってるな」

その言葉をどう取っていいかわからず、わたしは曖昧にうなずきました。

「……すみません」

「俺が睨みつけたらたいていの女子はビクビクするんだが……。
 どうなってんだオマエ。怖くないのか?」

「怖いです。虎の檻に入ってるみたいです」

「あっきれた……。じゃあなんだって俺を待ってたんだ?」

「お伺いしたいことがあります」

「……? △△さんのことか?」

「そう……とも言えます」

「意味がわからんな。タダじゃ嫌だって言ったら?」

「あの……わたしには、お返しできるものが無いんですけど」

「……ハァァ? マジで言ってんの?」

cさんは珍しい動物でも見るような目で、わたしを見ました。

「オマエみたいな女見たことないよ……。
 で、訊きたいことって何だ?」

「あの……cさんは殴り合いの喧嘩することありますか?」

「俺のコトか? そりゃある」

「喧嘩するのは、なぜですか? 面白いからですか?」

「うーん、なんだってそんなコト知りたがるんだ?」

「心配なんです……兄が」

「心配すること無いだろ。あの人が負けるのなんて、想像つかねぇよ」

「勝ち負けじゃないんです。兄が怪我をするのは、イヤですけど……」

「理由ねぇ……。こんなこと訊かれたのは初めてだ。
 そうだなぁ……舐めたコトされるとムカつくからかな?」

「兄も、同じでしょうか?」

「どうだろなぁ……あの人は自分から手を出すことはなかった。
 けど、たまに苛ついてる時は喜んで喧嘩買って歩いてたからなぁ。
 ストレス解消ってヤツ?」

「ストレス解消……」

「あの人に絡んでカツアゲしようなんてバカは、シメられて当然だよ」

cさんは堪えきれないといったふうに、笑いだしました。
わたしは歩きながら、ずっと考えていました。
お兄ちゃんを暴力に駆り立てる、心の闇を。

わたしの想像の中で、お兄ちゃんは拳を赤い血で染めて、
ぞっとするような嫌な笑みを浮かべていました。

「先輩」

「んあ? どした」

「わたし、こっちの道ですから、ここで失礼します」

「まだ早いじゃん。これからカラオケでも行こうぜ。
 質問のお返しってことでいいだろ?」

「わたし、音痴です」

「俺が歌い方教えてやるよ。なぁ、行こうぜ」

よほど歌唱力に自信があるのか、cさんはすっかり乗り気でした。
でもわたしの歌は、リズム、音程、声量の3拍子揃ってダメでした。

「ごめんなさい……今度、美味しいパフェをご馳走しますから」

「パフェぇ? そんなもん男の食いモンじゃねぇよ」

(続く)
【59】Re:●ここでの連載014●
2002年1月5日 23時45分48秒 - 勝手にしろくま
>お兄ちゃん子さん
はじめまして。初カキコです。
昨日連載がお休みだったからか、なんか静かですね。
しかし、cさん登場により今後物語がどういう展開をみせるのか、
しばらく目が離せませんな。う〜ん、なんかドキドキ・・。
これからもたまに顔を出すと思うので、皆様どうぞよろしくお願いします。
小心者なのでイジメないで下さいよ(笑)。

【60】どうなるんだ?
2002年1月6日 0時46分30秒 - ゴロちゃん
  ∧_∧
 ( ・∀・)
 (    )
 | | |
 (__)_) (・∀・)
ドウナルンダロウネ? ワカリマセン

【61】モナー好きでして・・・
2002年1月6日 0時50分47秒 - ゴロちゃん
おおおおおお、どうなんだー?続き気になるなぁ・・
これは相当ヤバい雰囲気だ・・・
ところで熊さんは全部読んでました?
ヤパーリこの連載いいですよね〜
確かに最近ROMさんが少ないですね。
まぁ、気軽にやりましょうよ。
ちゅうことで熊さん、よろしこ。

【62】まとめレスです。
2002年1月6日 10時14分30秒 - お兄ちゃん子

>59 勝手にしろくまさん
はじめまして。これからもどうか、よろしくお願いします。
お正月も過ぎて、そろそろみなさん忙しいんじゃないでしょうか?

>60-61 ゴロちゃん
連載はしばらく、重苦しい雰囲気が続くかもしれません。
日常の中では、UやVとの楽しいひとときもあったんですけど、
寄り道ばかりしていると、いつまで経っても先に進みませんので(笑)。


【55】今日の連載はお休みです。
2002年1月4日 20時18分13秒 - お兄ちゃん子

今日はお客様が来ていますので、連載とレスはお休みします。
ごめんなさい。また明日。
【56】Re:今日の連載はお休みです。
2002年1月5日 16時34分18秒 - ゴロちゃん
あれー?なんで誰もこない?
またこことんだのかい?


【46】●ここでの連載013●
2002年1月3日 18時55分12秒 - お兄ちゃん子
(【41】の続き)

周りに人が居なくなってから、わたしは思い切って口にしました。

「兄は……どんなことを、してたんですか?」

cさんは困ったような顔で、しばらく唇を舐めていました。

「あのさぁ……マジで秘密にしてくれよ。
 俺が変なコト喋ったって知れたらぶち殺されちまう」

上背があって自信たっぷりに見える先輩が、本気で心配しているようでした。
わたしは息を詰めて、うなずきました。

「△△さんは1個上の先輩だったけどよ。あんな喧嘩強い人居ないよ。
 俺がここに入った時には結構自信あったんだけどな……。
 見た目が真面目っぽいモンだから舐めてかかって喧嘩売ったら、
 1分と保たなかった。気が付いたら正座させられて説教さ。
 バカやってんじゃねぇ、ってこづき回された。
 ……でも面倒見の良い人でなぁ。可愛がってくれたよ。
 ただ弱いモンいじめが大嫌いでな。ガキや女いじめてるの見かけたら、
 ブチ切れてボコボコにしてたよ。怒らせたらあんな怖い人は居ないね」

cさんの喋り方は楽しそうで、お兄ちゃんのことを懐かしむような、
自慢するような響きがありました。

でもわたしの頭の中で、語られたお兄ちゃんのイメージは、
cさんと同じ暴力のにおいを発散していて、眩暈を誘いました。

「俺たちが他の学校のヤツと揉めてると、飛んで来て助けてくれた。
 度胸が据わってて、相手が何人居ても平気な顔してた。
 後でこっちが悪いとわかったら、立ってられないぐらい殴られたけどな。
 あの事件さえ無かったら、卒業までここに居てくれたのになぁ……」

cさんはため息をついて、話を止めました。
反射的にわたしは頭を下げて、お礼を言いました。

「ありがとうございました。このことは、誰にも言いません」

わたしが顔を上げると、cさんはわたしの顔をまじまじと見て、
冗談ぽく言いました。

「あのさぁ、付き合ってることにする、だけじゃなくて、
 試しに俺と付き合ってみない?」

「は?」

「いやだからカノジョにならないか、ってこと。
 今俺はフリーだしさ。ちょうどイイじゃん。
 気持ちいいコトいろいろ教えてあげるよ」

「…………?」

初対面の相手に、それもわたしなんかに交際を申し込むなんて、
この人はいったいどういう思考回路をしているのだろうか……?
と、疑問に囚われてぽかんとし、cさんの顔を覗き込みました。

「どうして、そうなるんですか?」

わたしは困惑して眉を寄せ、本当に首を傾げていました。
すると何を考えているのか、cさんはプハハハハと笑いだして、
わたしの肩を痛いぐらいバシバシ叩きました。

「面白い。面白いよ」

わたしは理解ができなくて、ますます困り果てました。
cさんは笑いをかみ殺しながら、離れていきました。

「君、天然だろ。わかんなきゃいい。
 無理にとは言わないよ。無理やりヤッたら△△さんに殺される。
 じゃーな。なんかあったら俺の名前出していいから」

cさんは右手を軽く上げて去っていきました。
さっきの申し込みは、わたしにはよくわからない冗談だったのか、
と思いました。

わたしが校舎に戻ると、廊下でUとVが緊張の面持ちで待っていました。

「○○! 無事か?」

「うん、何も無かったよ」

UとVの表情が弛みました。

「何を話したんや?」

「えっと……それは秘密。あと、よくわからない冗談言われた」

「秘密ぅ? わたしらにもよう言えんコトか?」

「○○ちゃ〜ん、黙ってるなんてずるいよー」

「そやそや、2人とも心配してたんやで」

2人とも怒っているようでした。しまった、と思いました。

「……でも、約束しちゃったから」

「脅迫して無理やりさせられた約束は無効なんやで?」

「別に、脅かされたりはしなかったよ」

「ホンマかぁ?
 あのcって先輩、喧嘩と女にはめっちゃ手が早いいう評判やで」

「よく知ってるね」

「知らんのはアンタぐらいや。
 そのc先輩にのこのこ付いていくんやから、無知って怖いわ」

それはUの言うとおりかもしれない、と思いました。
Uは何かあったらすぐに2人に相談するように、と何度も念を押しました。

わたしはそれを聞きながら、あの物理的な暴力の雰囲気を持ったcさんを、
簡単に倒してしまったお兄ちゃんは、その時どんな目をしていたのだろう、
と震えました。

(続く)
【47】Re:●ここでの連載013●
2002年1月4日 0時8分7秒 - 名無しさん
>気持ちいいコトいろいろ教えてあげるよ

初対面の女にこんなん事言う女いるんですねぇ・・・。

【48】Re:●ここでの連載013●
2002年1月4日 0時10分34秒 - 名無しさん
え〜っと上↑は激しく間違いです。

「初対面の女にこんな事言う男もいるんですねぇ・・」です。

【49】Re:●ここでの連載013●
2002年1月4日 0時36分25秒 - 消失老
>47-48

 とはいえ、当のお兄ちゃん子さんは、そんな無礼な言動をされたと言うのに、お兄さんの
暗黒面を垣間見てしまったことの方がよほど衝撃が大きかったらしいというのが、まぁ
これまでの流れからすれば予想の範囲内とはいえ、やはりお兄ちゃん子さんの世界は
お兄さんを中心にして周回しているのだなぁとあらためて思い知らされております(^^;。

【50】やっぱcさんこええ
2002年1月4日 1時30分8秒 - ゴロちゃん
だんだんお兄さんの素顔が割れてきましたね・・・
なぜにお兄さんが喧嘩しておまわりさんに連れてかれたか
やっとわかりました。そういう理由でしたか・・・
ちょっと今日はへこむ展開だったなぁ・・
ああああああああああああああ

【51】Re:●ここでの連載013●
2002年1月4日 2時19分5秒 - 抽出係
連載お疲れさまです。楽しませてもらってます。
相変わらず目が離せない展開....なんですが、またしても私のPCがイカれやがりました(;_;
今は実家から書いてるんでまだ見れてますけど、帰ったらネットへの接続環境がしばらくなくなりそうです。何も年明けて2時間も経たないうちに壊さなくてもいいのに>かみさま

【52】Re:●ここでの連載013●
2002年1月4日 12時20分54秒 - 姉は女帝
とりあえず、新年明けましておめでとうございます。
知らないうちに掲示板が移転しててびっくりしました。
今年も連載楽しみに読ませていただきます。
連載の方は新しいキャラの登場で盛り上がってますね〜
正座させて説教か・・・、お兄ちゃん子さんの兄さんって
妙な所で硬派なんだなぁと思ってしまった・・。

【53】Re:●ここでの連載013●
2002年1月4日 15時5分38秒 - TKS
ども、明けましておめでとうございます。今年も連載楽しみにしています。

俺なんかが見ると、お兄さん、逆にかっこいいと思うんですけどね。
cさんとの一軒にしても、自分から喧嘩を売ったわけじゃないし。
いい意味での番長みたいなかんじ?なんか少年漫画によく出てくる
「漢」って感じがすぐくするんですが。

こういう人間って俺はあこがれますけどね〜。すごいな〜。

【54】Re:●ここでの連載013●
2002年1月4日 19時21分21秒 - ぽこぽん
「いやだからカノジョにならないか、ってこと。
 今俺はフリーだしさ。ちょうどイイじゃん。
 気持ちいいコトいろいろ教えてあげるよ」

この部分が今後の展開のキーワードなのでしょうか?
おじさんは少し心配です。

【57】まとめレスです。
2002年1月5日 18時47分13秒 - お兄ちゃん子

>47-48 名無しさん
>49 消失老さん
>54 ぽこぽんさん
>気持ちいいコトいろいろ教えてあげるよ
ふざけているような口調でしたし、その頃は「気持ちいいコト」が
なんなのかイメージできなかったので(笑)、平気でした。

>50 ゴロちゃん
>52 姉は女帝さん
>53 TKSさん
お兄ちゃんはわたしの見ている前で、決して暴力を振るいませんでした。
嫌っている父親に殴られた時でさえ。
だから、お兄ちゃんのもう1つの顔は、想像するしかありませんでした。

>51 抽出係さん
新年早々パソコンが壊れたんですか……大変ですね。
復帰されるのをお待ちしています。


【41】●ここでの連載012●
2002年1月2日 21時9分4秒 - お兄ちゃん子
(【34】の続き)

わたしの家の前で、自転車が停まりました。

「お兄さん、上がって行ってください」

「え、いいの?」

「少しぐらい、良いですよ。Uに電話しないといけませんし」

「頼むよ〜。このまま帰ったら問答無用で殺されちゃう」

そわそわしているYさんの前で、受話器を取ってダイヤルしました。

「あ、U? 今、家に着いたところ。
 大きな声出さなくても、聞こえるよ」

「○○ちゃん、Uのやつ、怒ってる?」

「そんなに興奮してるんだったら、お兄さん帰れないね。
 うちに泊まってもらおうかな……」

「○○ちゃん!」

「はいはい。今から帰ってもらうけど、暴力はダメだよ。
 お兄さんを虐めるんだったら、うちに逃げてきてもらうからね?」

「……○○ちゃぁん……」

「電話、切られちゃいました。
 釘を刺しておきましたから、いきなり殴られることはないと思います」

「俺の耳には、火に油注いでるようにしか聞こえなかったよぉ……」

「お兄さん、ホントに身の危険を感じたら、逃げてきて良いですよ。
 かくまってあげます」

「……余計危険だってば」

Yさんは、とぼとぼと帰って行きました。
幸い、後遺症が残るような目には遭わなかったようです。
わたしも、次にUに会った時に、軽く首を絞められただけで済みました。

UとVのおかげで、お兄ちゃんの居ない日々も、賑やかに過ぎていきました。
親友2人(とYさん)が居なかったら、今のわたしは無かったと思います。

そうしているうちに、2学期が始まりました。宿題の提出、テスト、授業。
わたしには、なんの意味もありませんでした。

b君は相変わらず、わたしが存在しないように振る舞っていました。
aさんも、手出しをしてきませんでした。

陰でどんな噂がささやかれているか、わたしにはわかりませんでしたけど、
興味もありませんでした。

わたしはUやVと話をしているあいだだけ、息を吹き返し、
それ以外の時は息をしないで、ただ本を読んでいるようなものでした。

ある日の昼休み、わたしは教室に居ました。
UとVもそばに座っていましたが、話が途切れて、ぼんやりしていました。
わたしは手元の文庫本に、視線を落としていました。

「3年のcだけど、××は居るか?」

野太い声でわたしの名前が呼ばれて、初めて注意を惹かれました。
教室がざわついていましたが、わたしは背景雑音として、
それを自動的に意識からカットしていたようです。

入り口近くに立っている上級生らしい男子に、わたしは目を向けました。
男子がわたしに気づいて、歩み寄ってきました。

「君が××○○さん?」

「はい」

近くに寄られると、獰猛なドーベルマンのような雰囲気がして、
体が硬くなりました。

「俺は3年のc。ちょっと話があるんだけど、いっしょに来てくれる?」

「はい」

わたしは席を立ちました。横でUが血相を変えて立ち上がりましたが、
手で制してささやきました。

「お兄ちゃんの知り合いの人だから、だいじょうぶだと思う」

cさんと2人で教室の出口に向かうと、道が開けました。
廊下を歩きながら、cさんが言いました。

「しっかし……驚いた。△△さんとぜんぜん似てないね」

「よく、そう言われます。……どこに行くんですか?」

「やっぱり兄妹だな。肝が据わってる。俺、怖くない?」

cさんがニヤリと笑いました。下腹が冷たくなりました。

「怖いです」

「そうは見えないな」

「なんのご用ですか?」

「なんてコトはない。ちょっと倉庫裏に行って話をするだけだ。
 ……ああ、告ろうってんじゃないから安心していいよ」

「……?」

「△△さんから君のこと頼まれただけだ。
 変なヤツに付きまとわれたんだろ?
 俺は3年じゃちょっと名前売れてるから、
 俺と付き合ってることにすれば、
 ちょっかい掛けてくるヤツは居なくなるはずだ」

「……そんな、ご迷惑じゃないんですか?」

「お兄さんには世話になったしね。怒らせると怖い」

「兄が、怖い?」

「あちゃあ……知らなかった? 俺が言ったってのは秘密ね」

cさんが悪戯っぽく笑いました。

優しいお兄ちゃんと「怖い」というイメージが結びつきませんでした。
倉庫裏には先客が居ましたが、cさんが手を振ると居なくなりました。

(続く)
【42】cさん怖え
2002年1月2日 23時14分46秒 - ゴロちゃん
どうなるんだ???
毎回続きが気になるナー
明日が遠い・・・
ごろごろごろごろごろごろごろごろ

【43】Re:●ここでの連載012●
2002年1月3日 6時27分3秒 - 消失老
 う〜む、今回の新キャラcは、これまでとはちょっと住む世界が違っていそうな雰囲気も
ありますね。彼を媒介に、お兄ちゃん子さんがそれまで知らなかったお兄さんの側面が
明らかになるような展開が待っているのでしょうか。ちょっと不安な雰囲気も感じます。

 ところで、bbs.18xbbs.com の方の掲示板が、何事も無かったかのように復旧していますね。
アクセス間隔の長い人だと、あちらの掲示板が落ちていたことに気付かず、移転しているなどとは
思いもせぬままあちらにアクセスし続けている人もいらっしゃるのでしょうか。
 いや、私が独断であちらに案内の発言を上げても良いものかどうか、ちょっと判断が
付かなかったので、とりあえずこちらにて注意喚起という事で失礼します。

【44】お知らせありがとうございます。
2002年1月3日 9時1分39秒 - お兄ちゃん子

>43 消失老さん
>ところで、bbs.18xbbs.com の方の掲示板が、何事も無かったかのように復旧していますね。
気がつきませんでした。
あちらのほうに、移転のアナウンスをしておきます。

こちらに万一のことがあった時の予備として、
前の掲示板を閲覧モードで残しておきますので、
http://bbs.18xbbs.com/bbs/bbs.phtml?id=onichank
もブックマークしておいてください>all

【45】Re:●ここでの連載012●
2002年1月3日 13時9分39秒 - プペポ
俺が有明巡業逝ってる間移転してるし。
とりあえず向こうでも書いたけど、明けました。
今年も連載のほうガムバッて下さい。


【34】●ここでの連載011●
2002年1月1日 18時51分39秒 - お兄ちゃん子
(【25】の続き)

Yさんは怪訝そうな顔をして、立ち止まりました。

「……どうしたの? 改まって」

「お兄さんにデートを申し込んだのは、身代わりなんです」

「身代わり?」

「はい。わたしの好きな人の、身代わりでした。
 違う人とデートしたら、どんな気持ちになるのかなぁ、って」

「それで……どうだった?」

「楽しかったです。思っていたよりも、ずっとずっと」

「そう? いや……良かった。退屈してるかと思ってた」

Yさんがホッとしたような笑顔になりました。

「でも……もう、終わりにしましょう。
 このままだと、わたしの好きな人にも悪いですし、
 お兄さんに、悪いです」

「どうして? 俺は別に悪く思ってないよ」

「お兄さんは良い人です。
 ずっと一緒にいたら、好き……になってしまいそうです」

Yさんの目がまん丸になりました。

「あ! いや、それは!」

「ごめんなさい……でもそれは、2番目なんです。
 今日もお兄さんを見ながら、どこかで好きな人と比べてました。
 これは、酷いです」

「……そうか……」

わたしが見つめると、Yさんは、長い長い息を吐きました。

「ハァ……それで、もし、俺が許さないと言ったら?」

「え?」

「1日引きずり回されて、ごめんなさい、じゃ割に合わない。
 キスぐらいさせてくれなくちゃ、って言ったら?」

Yさんの顔が、ずいっと近づいてきました。
わたしはとっさに両手で口を覆って、一歩後ずさりました。
Yさんはその場を動きませんでした。

「あ……ご、めんなさい」

「アハハハハ……ウソさ」

「……ウソ?」

「初めてうろたえたね。
 今日はずっと君にペース握られっぱなしだったから、
 ちょっと癪に障ってたんだ。
 今のでおあいこ、ってことにしよう」

わたしはまだ、心臓がどきどきしていました。

「ひとつだけ忠告しておくよ。
 気安く思ってくれるのは嬉しいけど、
 そんなうるうるした目で無防備に男のそばに来ちゃいけない。
 黙って不意打ちでキスされちゃうぞ」

「あっ、ありがとうございます」

「アハハハハ……ハァ、何言ってんだろうね、俺は」

Yさんは自嘲するようにつぶやいて、歩きだしました。

「お兄さん、待って」

「え?」

立ち止まって振り返ったYさんに、歩み寄りました。

「顔を前に出してください」

「え、なんで?」

言いながらYさんは頭を下げました。

「目をつぶってください」

「なんなの、これ?」

Yさんは目蓋を閉じました。
わたしはYさんの頭を両手ではさんで、頬に口づけしました。

「……!」

Yさんの目がパッと開きました。

「○○ちゃん?」

わたしは飛び退いて、言いました。

「ふふふ……お兄さんも、無防備ですね。
 でもさっきは、格好良かったです。
 今のキスで、許してください。これ以上は、無理です」

「あ、ああ……アハハハハハ、許す許す。
 ……あーあ、○○ちゃんには勝てそうにないよ」

バス停まで来て、気が付きました。

「お兄さん、自転車はどうするんですか?」

「今日は置いて帰るよ。荷物持ちとしては、送っていかないといけないし」

「2人乗りして行きましょう。置いておいたら、盗まれるかもしれません」

駐輪場に行って、自転車の荷台にカーディガンの包みを敷きました。
座布団の代わりです。

Yさんの腰につかまって、アップルパイはわたしが膝に載せました。

「お兄さんの家に、先に行ってください」

「俺の家に?」

「アップルパイ、Uに届けなくちゃ」

「U、居るかなぁ?」

「絶対居ます」

マンションの少し前で自転車を停めてもらって、
わたしは1人でアップルパイを持って行きました。

ロビーの中を覗くと、予想通り、Uがうろうろしていました。
Uがわたしに気がついて、外に出てきました。

「U、こんな所で何してるの?」

「……なんでもあらへん。アンタこそなんで1人やねん?」

「これ、お土産。アップルパイ。後で食べてね。
 お兄さんはこれから、わたしを家まで送ってくれるんだって。
 安心して、すぐに帰すから」

「心配なんてしてへん!」

「それじゃ……」

Uが追いつけないくらい遠ざかってから、
わたしは振り向いて大きな声を出しました。

「お兄さん、とっても優しかったよー。
 わたしの手を引いてくれたし、キスもしたしー」

「なんやて!」

「詳しいことは、お兄さんに聞いてねー」

わたしが荷台に乗ると、Yさんは全速力でこぎ出しました。

「○○ちゃん……酷いよぉ」

Yさんの声は、泣いているようでした。

「うふふ……全部言えば、誤解は解けますよ」

わたしは風を切りながら、はしゃいでいました。

(続く)
【35】Re:●ここでの連載011●
2002年1月1日 20時43分55秒 - 名が無い人
あけましておめでとうございます。
前年中は毎日楽しく読ませていただいておりました。
今年も良い文を期待しています。わくわくと。

新年早々、Uさんによる処刑のときを待つ(のか?)Y兄萌え。

【36】Re:●ここでの連載011●
2002年1月1日 21時28分47秒 - Y兄ファン
Y兄は最後やっぱりこうなるのか・・・
女性に弱いタイプって言うよりいじめられやすいタイプだね
周りに幸福を振りまいているからいいか(笑

【37】Re:●ここでの連載011●
2002年1月2日 2時16分49秒 - りりい
前回私も兄と仲がいいと書いた初です、ことりりいです。
いやー、毎回面白い展開です。
これからも楽しく見させてもらいます。

最後に皆様、本年もよろしくお願いします。

【38】(爆笑)
2002年1月2日 3時0分27秒 - ゴロちゃん
まじ爆笑!!
Y兄さんうけすぎ!
そしてお兄ちゃん子さんもひどすぎ!!
結構むこうはその気だったんじゃ・・・
折れにとってはこれは事件だね
それもかなりの。
っていうかこれはお兄ちゃん子さんにとっても
大事件だったんじゃないんですか?
いやしかし今日のは萌えた。
これは転がるしかないっすね。
ごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろ


スマソ。

【39】まとめレスです。
2002年1月2日 19時20分6秒 - お兄ちゃん子

>37 りりいさん
仲の良いお兄さんとのエピソード、読みたいです。

>35 名が無い人さん
>36 Y兄ファンさん
>38 ゴロちゃん
やっぱりひどすぎました?(あせ)
Yさんを見ていると、嗜虐心が刺激されてしまって……(笑)。

【40】Re:●ここでの連載011●
2002年1月2日 19時56分21秒 - ぽこぽん
・・・そんなこと言う人嫌いです。(ネタですからね 笑)


【25】●ここでの連載010●
2001年12月31日 21時35分41秒 - お兄ちゃん子
(【10】の続き)

「おごりですから、気にしないでください」

「こんな高いモノ頼んだら余計気にするよ。せめて割り勘にしよう?」

「お詫びですから、そういう訳にはいきません」

「Uに知られたら殴られちゃうよ〜」

「Uには黙っていてあげます。ここは大人しく、おごられてください」

Yさんのうろたえぶりが可笑しくて、わたしはにっこりしました。

程なくして運ばれてきた、2つのチョコレートパフェを前にして、
Yさんは神妙な目つきで、わたしの手元を見つめました。

わたしは長いスプーンを手に取って、尋ねました。

「食べないと、溶けちゃいますよ?」

「そうなんだけど……初めて食べるモンだから、
 どんな風に食べたらいいのか見ておこうかな……って」

「じーっと見られてると、食べにくいんですけど……」

「あ、それもそうか」

Yさんはスプーンを握り、ざくざくとパフェに突き刺しました。

「Yさん、デートするのは初めてですか?」

「デ、デート? これって、デートなのかな?」

「客観的には、デートにしか見えないと思います」

「そう……Uの買い物にはよく付き合わされるけどね。
 情けないけど、デートするのは初めてだ」

「わたしもです」

「そう? その割には落ち着いてるね」

うろたえている人を目の前にすると、反動で平静になってしまう、
とは言えませんでした。

「お兄さんとだと、緊張しないんです」

「アハハ、そう、ありがと」

パフェを平らげてしまうと、口の中に甘みが残りました。

「美味しかった……」

「美味かった……これからどうしよう? もう少しぶらぶらする?」

「あと1つ……見ておきたい物があります。その前に……」

わたしは席を立って、レジのほうに歩いて行きました。
レジの前のガラスのショーケースに、ケーキが並んでいます。

「ここはアップルパイも美味しいんです」

わたしは会計を済ませ、アップルパイを丸々1個買って、
Yさんに持たせました。

「これはUへのお土産です。みなさんで食べてください」

「至れり尽くせりだけど……なんかこれって立場が逆じゃない?」

「男も女も関係ないと思います」

「う……」

渋るYさんの先に立って、わたしは歩きだしました。
目的地は、ファンシーショップでした。

「○○ちゃん、俺、外で待ってていいかな?」

Yさんは女の子だらけの店内に、気後れしているようでした。

「奥には入りません。
 お兄さん、どの色が良いと思います?」

わたしは外側の陳列棚に吊してあった、可愛いキャラクター入りの
リップクリームの列を、指さしました。

Yさんは真剣に考え込んで、答えました。

「そうだなぁ……○○ちゃんは色が白いから、これかな」

「Uだったら、どれが似合うと思います?」

「U? あいつまだ化粧してないと思うけど」

「わたしもめったにしません。Uもこれからは、するようになると思います」

「じゃあ……こっちかな?」

「付いてきてください」

わたしは2本のリップクリームを外して、中のレジに並びました。

「お兄さん、払ってください」

Yさんはあわてて財布を取り出しました。
わたしは店員さんに、リップを別々に包んでもらうように頼みました。

店を出て、Yさんが言いました。

「どういうこと?」

「1本は、初めてのデートの記念品です。
 もう1本は、Uへのお土産です。
 お兄さんが選んで買ったものだって、渡してください」

「ええっ? 妹にお土産なんて、変じゃない?」

「変じゃない、と思います。わたしのお兄ちゃんは、
 よくお土産を買ってきてくれました。嬉しかったですよ。
 お兄さんは、Uにプレゼントするのが、嫌ですか?」

「いやまぁ……嫌ってことはないけど、照れるよ」

「我慢してください。それじゃ、デートはそろそろ終わりです」

「え、もう帰るの?」

「たぶん、Uが待ってると思います。
 最後に、お兄さんに言っておかないといけないことが、あります」

(続く)
【26】今年はいろいろなことがありました。
2001年12月31日 21時37分30秒 - お兄ちゃん子

物心ついてから、何ごともなく過ぎた年は無かったような気もします(笑)。
今年最後のカキコとして、一言だけ。

マターリした「兄弟姉妹の想い出」スレを崩壊させる原因を作ったのは、
わたしでしょう。そのことについて、弁解するつもりはありません。

モエバナを提供してくださっていたコテハンの方々、
それを楽しみにしていたROMの方々(煽り荒らしを除く)に、
心から謝罪いたします。

【29】Re:●ここでの連載010●
2001年12月31日 23時50分8秒 -   
>26
>「兄弟姉妹の想い出」スレを崩壊させる原因を作ったのは、わたしでしょう。

 私は、「数多くある原因の一つ」、と判断しましたが。
 何も意図しないでネタを書き込んで、スレ崩壊の原因を全て押しつけられたのでは、
お兄ちゃん子さんと同様にネタを書き込んだ人も同罪になりはしないですか?
 スレ崩壊の責任は、あの場所に書き込んだ人全員で均等に割れば丁度いいんじゃないですか?
 煽りや荒らしは、他の人と比べて二倍以上の責任があるとは思いますが。

【30】Re:●ここでの連載010●
2002年1月1日 0時44分47秒 - ゴロちゃん
お兄ちゃん子さんあけおめことよろー!
今年も連載がんばってくださいね。
今日は徹夜で2ちゃんねる・・・さびしい

【31】すいませんが、言わせて下さい。
2002年1月1日 2時18分22秒 - 名無しさん
いいえ、お兄ちゃん子さん。
貴女の言い分は間違っていると思います。

まず、原因は煽り荒らしの所業に耐え切ず、
彼らを放置し切れなかった、貴女を含む住人全員です。

そして、あのスレは崩壊せず、
現在持ち直しつつあります。
ここを見ている元コテハンの方々に戻れとは言えませんが、
ぜひとも一度はその様子を見て頂きたいと思います。

残念ながら私は見守る事以上の事は出来ませんが、
どちらも応援しています。
このカキコ内容はこちらの不文律に抵触しているかも知れませんが、
貴女のカキコに便乗してでも、
これだけは言うべきだと思ったのです。

新年早々、乱文失礼致しました。

【32】Re:●ここでの連載010●
2002年1月1日 7時56分49秒 - 消失老
 「兄弟姉妹の想い出」スレッドが荒れた事については、確かにお兄ちゃん子さんの存在も
かなり大きな要因だったとは思います。率直に言って、2ちゃんねるのような匿名掲示板に
あっては、お兄ちゃん子さんの個性は強靭にすぎたかもしれません。
 ただ、この種の世間の大勢に反する面のある、ある意味でインモラルな話題を扱うスレッドは、
もともと煽り荒らしの類に目を付けられやすい面があるようにも思います。その意味では、
スレッドに愛着を持つ参加者は、みな等しくそのような闖入者に適切に対処する必要が
あったのであって、場が荒れてしまった責任を問うとしたら、それはやはりスレッド参加者全員に
帰するしかないのではないかと思います。
 また、これは【31】の方に先を越されてしまいましたが、あのスレッドは、踏みとどまって
萌えバナを提供されている数名の固定ハンドルの方の尽力によって、本来の趣旨を
取り戻しつつあるようにも思えます。あるいはお兄ちゃん子さんに他意は無かったかとも
思いますが、それを「崩壊した」と断言してしまうのはいささか問題があるようにも思えます。
 ただ、それはそれとして、責任を感じられているお兄ちゃん子さんの意志は尊重されるべきでは
あります。その上で、願わくば、お一人だけで重荷を背負い込まず、私たちにも分かち合える
事があるのならば、お力になれれば嬉しく思うのも、私の正直な気持ちです。

 さて、気を取り直して今回のお話の感想ですが。
 U嬢向けのプレゼントまでY兄に持たせて、なんだかお兄ちゃん子さんは余裕綽々のような
雰囲気でもありますね(^_^;。う〜ん、Y兄さん、年上の威厳って何?という状態ですけど、
そこが彼の親しみやすさでもあるのかしら。

 さて、末尾にて失礼ながら、お兄ちゃん子さんならびにこちらの掲示板にお集まりの皆さま、
本年もどうぞよろしくお願いいたします。お兄ちゃん子さんには、どうぞご自愛なされつつ
この物語を綴られていただきたく。

【33】31さん、ありがとうございます。
2002年1月1日 15時27分35秒 - お兄ちゃん子

>31 名無しさん
>そして、あのスレは崩壊せず、現在持ち直しつつあります。
情報ありがとうございます。
27日に、スレが過去ログ倉庫に落ちたのを見て、がっかりしていました。
復活していたのですね。新年早々、嬉しいニュースです。


【10】●ここでの連載009●
2001年12月30日 21時5分41秒 - お兄ちゃん子
(【9】の続き)

Yさんは腕組みをして、わたしの後ろに立ちました。
わたしが棚の前に陣取って、ゆっくりと商品を眺めていると、
ぱりっとした制服を着た店員が近寄ってきました。

「なにかお探しですか?」

「あ……ちょっと、見てるだけです」

知らない人と話をすると、鼓動が早くなりました。
ちらりと振り返ると、Yさんがしかめっ面をして店員を睨んでいます。
そのせいか、店員はそそくさと立ち去りました。

「ありがとうございました」

「なにか気に入ったのあった?」

「はい」

結局、そこでクリーム色のカーディガンを買いました。
そのあと、ソックスと靴も買い込みました。
荷物を手に提げて歩きながら、Yさんが言いました。

「軽いモンばっかりだね。これじゃ荷物持ちが楽すぎる」

「お兄さんは、なにか買う物ないんですか?」

「今日は特にないなぁ。身だしなみに気を付けろってUがうるさいけど、
 それより新しい交換レンズが欲しいよ。
 バイト代が入っても、Uにたかられたら残るかどうか……」

「……搾取されてるんですね」

「搾取って……えらい難しい言葉使うね。
 まだ中学じゃUもバイトするわけにはいかないし、
 おねだりされるときだけは頼られるから悪い気はしないよ」

「お兄さんって、やっぱり優しい」

「アハハハハ、照れるな。
 Uもそんな風に言ってくれるといいんだけどなぁ……。
 あいつはきっついからなぁ」

「Uも本当は、感謝してると思います」

「だといいなぁ……ポンポン言われてばっかりだから、情けないよ」

それからしばらく、Uがいかに無鉄砲で怒らせると怖いか、
そんな話題で盛り上がりました。
深刻な顔で大袈裟に語るYさんに、わたしは笑いをこらえきれませんでした。

「ハハハハハ、こんな話してるのUにバレたら、殺されるね」

「くくくく、そうですね……あ、後ろにUが!」

わたしが背後を指さすと、Yさんはその場で凍りつきました。

「……というのは、ウソです」

わたしが舌を出して見せると、Yさんはがっくりと両膝に手をつきました。

「……心臓止まるかと思った。
 そんな真面目な顔で冗談言われたら、本気にしてしまうよ」

Yさんは大きく胸で息をしていました。

「ごめんなさい……」

「あ、いや、冗談だったら気にしなくていい」

「お兄さん、甘い物は好きですか?」

「え? あ、まぁ好きだけど」

「じゃあ、お詫びにおごります」

わたしは先に立って、デパートの中の喫茶店に入りました。

「ちょ、ちょっと……」

Yさんが追いかけてきました。

「お2人ですか?」

ウェイトレスさんに尋ねられて、うなずきました。
Yさんはテーブルの向かい側の席に着くと、小声で言いました。

「ここ……女の人しか居ないね」

Yさんは首をすくめて、いかにも居心地が悪そうでした。

「ここはパフェが美味しいんです。
 チョコレートパフェとフルーツパフェ、どっちが良いですか?」

「お、俺もパフェ食べるの?
 ……コーヒーか紅茶はないのかな?」

「ありますけど、ここに来てパフェを食べないなんて、犯罪です」

「犯罪?」

「犯罪は言い過ぎかもしれません。冒涜です」

「……わかった。チョコレートパフェ頼む」

横に控えたウェイトレスさんが、笑いをこらえていました。

「わたしも、チョコレートパフェお願いします」

ウェイトレスさんが引っ込むと、Yさんはグラスの水を飲みました。

「お兄さん、Uとはこんなところに来ないんですか?」

「……コーヒーショップとかハンバーガー屋だなぁ、いつも。
 こんな高級そうな店には入らないよ」

その喫茶店は、壁といい調度品といい、19世紀風でした。

「じゃあ、今度はUと来てください。きっと喜びます。
 ちょっと高いですけど……」

わたしがパフェの値段を口にすると、Yさんは「そんなに高いの?」と
目を剥きました。

(続く)
【11】Re:●ここでの連載009●
2001年12月30日 21時17分12秒 - ぽこぽん
復活されたのですね。本当にほっとしています。
自分はなんとか片っ端からリンク先を探すことでここに来ることが出来ましたが、他の皆さんがまだいらしていないので大変寂しいですね。
抽出係さんか91℃さんに告知を依頼することが一番いいのではと思うのですが、、、

【12】90℃さんに告知をお願いしました。
2001年12月30日 21時35分24秒 - お兄ちゃん子

>11 ぽこぽんさん
そうですね。
90℃さんにメールで告知をお願いしました。
抽出係さんにもお願いしたいところですけど、
わたしはメアドを知らないのです(あせ)。

今日はちょっと疲れました。おやすみなさい。

【13】Re:●ここでの連載009●
2001年12月30日 21時36分27秒 - ◆
とりあえずたどり着いてます(w
しかしこのままマターリというのもいいのかも。

【14】Re:●ここでの連載009●
2001年12月30日 21時49分31秒 - gagi
いや、突然掲示板が消滅してしまっていたので慌てました。
何とかここまでたどり着きほっとしています。
よごれたスレが消えたくれたことだけは感謝しましたが、
どうもこのレンタル掲示板は長期連載を続けていくには
多少不安定のようですね。どこか良い場所はないものか。

【15】Re:●ここでの連載009●
2001年12月30日 22時54分40秒 - 90℃
はい、「IMAGES」に新URL張っときました。
抽出係さんにも連絡したし、おっけーです。>ぽこぽんさん

ところでY兄ぃとのでえと、ほのぼの雰囲気でイイですねぇ♪

【16】一時はどうなったのかと(汗)
2001年12月30日 23時22分1秒 - 消失老
 いや、それほど間を置かずに復活されたのは何よりでした。私の場合は、某姐さんのスレッドで
こちらを発見された方の発言を読んで辿り着くことができました。でも、個人的には今日の夕方に
消滅した掲示板にアップされていたいくつかのレスをダウンロードし忘れていたのが残念です(^_^;。

 気を取り直してお話のほうの感想ですが。自分から手を繋ごうなどとけっこう大胆に迫ったりする
わりに、ちょっと鋭い反応が返ってくるとすぐに気後れしてしまうY兄、何と言うか、他人のような
気がしません(笑)。彼の将来にも願わくば幸多かれ。というか、とりあえず今回のデートが
つつがなく平和に終わりますように。いや、U嬢の乱入を期待しているなんて事はこれっぽっちも(^_^;。

【17】Re:●ここでの連載009●
2001年12月30日 23時32分40秒 - TKS
TKSです。無事たどり着けました。
私の場合は避難所を覗いてなんとかたどりつきました。

板、不安定なんですかねぇ…今度消えたら、メールマガジンでの配布とか、
他の手法も考えたほうがいいかもしれませんね。

しかし、今回の話……いったいパフェ、どのくらいしたんでしょう?
そんなに美味しいパフェなんですか??

【18】Re:●ここでの連載009●
2001年12月30日 23時57分33秒 - 問題屋
>掲示板の消失

 前の掲示板は、2ch側で粘着君の荒らし先に指定されていたようですから、
結果的にはよかったのかもしれませんね。

 しかし、何でいきなり消失したんでしょうね。
 私は避難所からリンクを辿りましたが、ここに来るのに苦労する人は多い
んでしょうねぇ。


【19】Re:●ここでの連載009●
2001年12月31日 0時3分10秒 - ぽこぽん
大変失礼致しました。>90℃さん
何か自分91℃とか書いてるし、、、(>_<)

自分は、このデートちょっと気になってます。
なぜ、好きでもない男性とデートをするのか。
何かを確かめたくて取った行動のような気がします、、、
深読みでしょうか?
いつもそうですが、続きが気になってしょうがないよー

明日は忙しいので覗きに来れないかも知れませんので
今のうちに挨拶させて頂きます。

皆様、良いお年をお迎えください。
お兄ちゃん子様、どうぞお体を大事になさって来年も素敵なお話を
聞かせて下さい。

ではでは。

【20】Re:●ここでの連載009●
2001年12月31日 1時29分26秒 - 長野は〜
元の掲示板が消失したのに気が付いた時は、本当にショックでした。
毎日の楽しみが奪われてしまったようで・・
今回、新掲示板に復活&ご苦労様でした。(よかった〜)
ただ、今回の件で、粘着荒らし君の対策を考慮し、避難所を作っておくとか、
TKSさんのおっしゃるようにメルマガなどもよいのでは・・と考えてみますが。

パフェですか、食べた事ないです(キッパリ)。なにか、男が食べてはならない物
として位置付けされてます。実際は・・食べてみたいんですよ。
近所にバケツぐらいの巨大パフェがあるそうで、今度食べに行こうか?一人で。

【21】Re:●ここでの連載009●
2001年12月31日 1時51分40秒 - ばろねっと
また突然消滅したのでびっくりしました。
大変でしたでしょうが、気分を害されるようなやりとりがなかったのは不幸中の幸いかも。

連載の方、新展開ですごく気になります。お兄ちゃん子さん(当時)は果たして何をねらっているのか?お兄ちゃんへの揺さぶりか?(知り合いとデートされたら応えるだろうなぁ)

ところで前BBSではレスありがとうございました。ハンドルへのツッコミは初めてで驚きました。このハンドルは次のレベルに今ひとつ届かぬ我が身の不甲斐なさを恥じているだけの代物ですのでお気になさらず <(^^;

【22】まとめレスです。
2001年12月31日 19時48分25秒 - お兄ちゃん子

今日はいろいろと忙しくて、連載を書いている時間がありませんでした。

>15 90℃さん
告知ありがとうございました。
いま見に行ったら、抽出係さんのHPでも告知されていました。

>17 TKSさん
メールマガジンというのはどういうものか、よくわかりません。
パフェは、絶品でしたよ(笑)。
値段は、そうですね、ふつうの喫茶店の2倍以上、でした。

【23】とりあえず
2001年12月31日 20時23分57秒 - 抽出係
whoiskimuraのほうで告知しておきました。
90℃さん、わざわざ連絡ありがとうございましたm(__)m
次回の更新でwhoiskimuraのほうでメアド吊るそうと思ってるんで、また次にこういうことあったり私と連絡取りたかったりしましたらそちらによろしくおねがいします>all
http://whoiskimura.tripod.co.jp/brother/

【24】告知ありがとうございました。
2001年12月31日 20時29分58秒 - お兄ちゃん子
>23 抽出係さん
お手数をおかけしました。
何か告知をお願いする時は、メールさせていただきます。
本来ならわたしがメアドを晒すべきなのですけど。

ここが消える可能性もありますので、
抽出係さんのHPをブックマークしておいてください>all

【28】御挨拶
2001年12月31日 23時2分40秒 - 90℃
>ぽこぽんさん
昨日は消失騒ぎで、丁度91℃くらいでしたので宜しいかと。(^ ^

>お兄ちゃん子さん 
少々ミスりましたけど(笑)また何か有りし折は御一報下さい。

>抽出係さん
早めに連絡をとれて誠宜しゅうございました♪。

どうぞ良き年を迎えられます様。>ALL


【9】●ここでの連載008●再掲載
2001年12月30日 20時26分5秒 - お兄ちゃん子
【158】●ここでの連載008●
2001年12月29日 19時59分46秒 - お兄ちゃん子<>
(145の続き)

お兄ちゃんと出かけるとき、外で待ち合わせることはありませんでした。
本当のデートのような気がしてきました。

約束の時刻の10分前に、人影が駐輪場のほうから駆けてきました。
服装がいつものYさんと違っていて、顔を見るまでわかりませんでした。

「ハァハァ……ごめん、待った?」

「わたしが早く来すぎただけです。走らせてごめんなさい」

「いやいやいいっていいって」

Yさんは、少し離れてわたしの全身を眺め回しました。

「それ、この前デパートで買ったワンピースだね。
 さっそくだけど、1枚撮らせてもらっていいかな?」

Yさんは小さな鞄から、小さなカメラを取り出しました。

「今日は、ずいぶん小さいカメラですね」

Yさんはカメラを構えながら、苦笑しました。

「Uのやつがね……でかい鞄持って行くなんてもってのほかだって。
 この服もあいつが勝手に選びやがって……」

いつもと違って、折り目のきちんと付いた柿色のズボンでした。

「Uは今日のこと、なんて言ってたんですか?」

「う〜ん、それがよくわからないんだ。
 ○○ちゃんの元気がないから買い物の荷物持ちに行け、ってさ。
 デートじゃないんだからくれぐれも誤解するな、って釘を刺されたよ。
 だけど○○ちゃんに恥かかせるようなことがあったら承知しない、って。
 どういうことなんだろう?」

「あの……わたしがUにわがままを言ったんです。
 ご迷惑なら……やっぱり止めましょうか?」

「迷惑なんてこと無い無い。
 Uに買い物付き合わされるのに比べたらラッキーさ。
 あいつ人におごらせといて無茶苦茶言うからなぁ」

「Uと買い物に行くのは、嫌なんですか?」

Yさんの顔がまじめになりました。

「いや、そんなことないよ。
 口うるさいけど無視されるよりはマシさ。
 あいつが小さいときはもっと素直で可愛かったんだけどなぁ。
 反抗期ってやつかな?」

Yさんは大袈裟にひとつため息をついて、言いました。

「それじゃ、行く?」

「はい」

Yさんはすたすた歩きだして、立ち止まり、振り返りました。

「えっと……どこ行くんだっけ?」

Uとの買い物とは勝手が違うのか、Yさんは落ち着きがないようでした。
わたしはそれを見て、かえって平静になりました。

「わたしがいつも歩くコースですから、ご案内します」

「そう……それで、その……手、つないだりするのかな?」

「え?」

「あ、いや、ほら、○○ちゃんは方向音痴だって聞いたから」

「わたしでも、いつも歩いているコースなら迷いません」

「あ、そりゃそうだね、ハハハ、何言ってんだ俺」

Yさんは頭をかきました。哀れなほどうろたえています。
わたしはふふっと笑って、右手を差し出しました。

「手、つなぎましょう」

「え、いいの?」

わたしがうなずくと、Yさんはわたしの手を取りました。
びっくりするほど熱くて、しっとりした手のひらでした。
歩きだして、Yさんが言いました。

「○○ちゃん、手が冷たいね」

「体温が少し低いみたいです。お兄さんは熱いですね」

「あ、俺は体温が高いのかな? アハハ」

2人で肩を並べて、デパートに向かいました。
冷房の効いた店内に入ると、すうっと汗が引きました。

衣料品のフロアでは、もう秋冬物が展示されていました。
わたしはそぞろ歩きしながら、ゆっくり品定めしました。
ふとYさんの顔を見ると、居心地が悪そうに目を逸らしています。

「お兄さん、どうかしました?」

「いや……なんか場違いみたいで、人に見られてるような……」

「気のせいじゃないですか?」

ゆったりした薄いカーディガンが目に留まりました。

「お兄さん」

「なに? 買いたい物見つかった?」

「あの……わたしが店員さんに捕まって、逃げられなくなったら、
 助けてください。断るの苦手なんです」

「よっしゃ、まかしとき」

(続く)

【8】●ここでの連載007●再掲載
2001年12月30日 20時25分33秒 - お兄ちゃん子
【145】●ここでの連載007●
2001年12月28日 17時45分39秒 - お兄ちゃん子<>
(133の続き)

「な……」

Uは言葉を失いました。目を見開いて、凝固しています。

「お兄さんはUの奴隷なんでしょ? Uが言えば聞いてくれるね」

「ちょ、ちょっと待ち! どういうコトやねん!」

Vが身を起こして、わたしたちの顔を順に見ました。

「どうしたのー?」

「一度お兄ちゃん以外の人と、デートしてみたかった。
 買い物の荷物持ちしてもらったり、喫茶店に行ったり」

「アンタ……兄ぃを前に振ったんと違うんか?」

「別に告白されたわけじゃないよ。振るも振らないもないと思うけど?」

「趣味悪いでぇ! あんなオタクでスケベなアホのどこがエエねん!」

「そう……? 優しいし、エッチなことしないし、良い人だと思う」

「本気……なんか?」

Uが真っ青になっているのを見るのは、実に珍しい経験でした。
わたしは、笑いの発作をこらえるのに必死でした。

「デートするだけなのに、大袈裟だよ」

「兄ぃは純情やから絶対本気にするで!」

「お兄さんは、わたしに好きな人が居る、って知ってるから、だいじょうぶ」

Uは返事をせず、顔を伏せて黙り込みました。
Vがおそるおそる、口を挟みました。

「どうなってるのー? わたしぜんぜんわからないよー」

反応が無くなったUを見て、わたしはやりすぎたかな、と思いました。

「……U、どうしたの? もしかして……泣いてる?」

床に座っているUの近くに這っていきました。
下から覗き込むと、Uは目蓋を固く閉じています。

「今のは冗談。ごめんなさい……U、怒った?」

「アホぅ……」

Uが低い声で、ぼそりとつぶやきました。

「兄ぃはなぁ……兄ぃはなぁ……」

「なに?」

「兄ぃは、わたしの本当の兄貴やない……」

「ええっ!」

今度はわたしが言葉を失いました。

「ホンマはわたしは兄ぃの従妹なんや。
 産まれてすぐ両親が死んで、
 今のお父ちゃんとお母ちゃんに貰われた……。
 ずっと兄ぃが好きやった……」

Uの突然の告白に、わたしは圧倒されました。

「兄ぃとわたしを弄ぼうやなんて……そんなんヒドイで……」

「ごっ、ごめんなさい」

わたしは土下座して、床に額をこすりつけました。

「傷つけるつもりじゃなかった。
 ごめんなさい。ごめんなさい」

重大すぎて、言い訳の言葉を思いつきませんでした。
Vが呆然としたような声で言いました。

「Uちゃん……知らなかったよー」

「許したる……その代わり、夏休みの宿題は全部見せてもらうで」

「え?」

一転した明るい声に、Uを見上げると、にやにや笑っています。
わけがわからなくて首を傾げるわたしに、Uが宣告しました。

「アンタも馬鹿正直やなぁ……。
 兄ぃとわたしはよう似てるやろ? ホンマの兄妹に決まってるやん」

「ウソ……だったの?」

「アンタも冗談やったんやろ?
 目には目を、歯には歯を、やられたら三倍返しや。
 ハンムラビ法典にも書いてある」

「それちょっと違う……」

「まぁエエわ。兄ぃは貸したる」

「え? そんな、悪いよ」

「アンタも最近元気なかったからなぁ……これも友情のしるしや。
 なんぼでもこき使ってかめへんで」

「その……お兄さんに悪いと思うんだけど」

「どうせ兄ぃにデート申し込むなんて物好きはアンタぐらいや。
 夢見せたってもかめへんやろ」

Vが横から、人ごとのように言いました。

「Uちゃん、悪魔?」

「誰が悪魔やねん!
 まぁ兄ぃにはわたしから言うとく。日にち決まったら電話するわ。
 それより宿題片付けよか。早うせんと終わらへん」

「うん……」

「○○ちゃん、うしししし、デートだねー。いいなー」

Vが冷やかしてきました。
やっぱりこの2人に勝つのはわたしには無理だ、と思いました。

数日経って、デートの日になりました。
わたしは約束の時刻に遅れないように、早めに家を出ました。

本当はデートとは言えないのですが、それでも緊張してきました。
バスを降りて、駅前のロータリーの屋根の下に立ちました。

(続く)

【7】●ここでの連載006●再掲載
2001年12月30日 20時24分57秒 - お兄ちゃん子
【133】●ここでの連載006●
2001年12月27日 20時59分7秒 - お兄ちゃん子<>
(106の続き)

戸惑ったような、お兄ちゃんの声がしました。

「○○……」

わたしは目蓋を開けて、言いました。

「だいじょうぶ。なんでもない」

ポーチから腕時計を取り出して、文字盤を見ました。

「そろそろ、時間?」

「ああ」

「じゃあ、行きましょ」

トレイをカウンターに戻して、カフェを出ました。
駅の入り口の手前で、お兄ちゃんが立ち止まりました。

「ここまででいいよ。キリがなくなる」

心なしか、お兄ちゃんの声が寂しげに聞こえました。
振り向いたお兄ちゃんに、わたしは微笑みかけました。

「うん……じゃあ、お兄ちゃん、行ってらっしゃい」

「ん……行ってくる……えっとな、○○」

「なに?」

「友達、いっぱいできるといいな。でも、あんまり無理すんなよ」

「うん」

「じゃな」

お兄ちゃんは軽く手を振って、歩み去って行きました。
わたしはお兄ちゃんが見えなくなるまで、その場で見送りました。

お兄ちゃんの背中が見えなくなっても、じっと立っていました。
電車を降りて駅から出てきた人たちが、わたしの両側を通り過ぎました。

どれぐらいそうしていたのか、はっきりしません。
我に返るとわたしは、しぼんだ風船になったような気がしました。
大きなため息が、自然に出てきました。

「はぁ……行っちゃった」

さっきまでの元気が、お兄ちゃんといっしょに旅立ってしまったようでした。
わたしは口の中でつぶやきました。

「ダメだな……こんなじゃ」

無理に笑顔を作ろうとしても、変に顔がひきつるだけでした。

そのあと、どんなふうにして家に帰ったのか、記憶がありません。
ビデオを早送りしたように、場面が変わっていきます。

Uが怪訝そうな声で、わたしに呼びかけました。

「……○○? どないしたんや」

「……! あ、なに?」

Vの部屋でした。Vは向こうでうつぶせになって、ぐったりしています。

「なにやあらへんで、人の話聞いてるか?」

「……ごめん。ぼうっとしてた」

「アンタ、ホンマにおかしいで? Vはアレやし……」

「どうしたの?」

「聞いてなかったんかいな! Xの兄ちゃんに追い出されたんやて。
 勉強にならへんから当分来るな、って」

「なるほど。受験勉強の邪魔したの? V」

「ううー。おにーちゃん冷たいよー」

「自業自得やろ……それより○○、宿題は持ってきたんか?」

「うん……言われたとおり、全部持ってきたけど」

「じゃあ、ぼちぼち宿題片付けよか」

「わたしはもう終わっちゃったよ?」

「わたしはまだやねん。写さして、な?」

Uが拝むように両手を合わせました。

「良いけど……どれぐらい済んでるの?」

Uが黙って差し出した宿題のプリントを見ると……。

「……まだなんにも出来てないじゃない」

わたしはさすがに呆れました。

「今から自力でやって終わらせるのはムリや」

Uは力一杯断言しました。

「あのねぇ……自信たっぷりに言うことじゃないでしょ?
 読書感想文はどうするつもり?」

「へ?」

国語の宿題は、課題図書として選ばれた3冊の小説のうち1冊を読んで、
感想文を書くことになっていました。

「わたしのでもVのでも、そのまま写したら、
 丸写しだってバレバレだよ?」

「あ……」

Uはぜんぜん考えていなかったようです。
その時わたしの頭に、意地の悪い考えが浮かびました。

「実はひとつ、解決策があるんだけど」

「なんや?」

「わたし、課題図書3冊とも読んでたから、感想文も3つ書いた。
 そのうちの1つをあげようか?」

Uの顔がパッと輝きました。

「おお……ナイスや。持つべきものは友達やなぁ……」

「その代わり、条件があるんだけど」

Uはしぶしぶといった調子で答えました。

「うー……そうきたか。この際やから、パフェぐらいおごるで」

「パフェは要らない。それより、お兄さんを一日貸してくれる?」

(続く)

【6】●ここでの連載005●再掲載
2001年12月30日 20時24分7秒 - お兄ちゃん子
【106】●ここでの連載005●
2001年12月26日 19時43分20秒 - お兄ちゃん子<>
(93の続き)

「お兄ちゃん、まだ、時間ある?」

「あわてるな。朝飯の時間ぐらいはあるさ」

わたしは時間を無駄にしたくなくて、急いで洗面所に下りました。
顔を洗ってダイニングに入ると、何も支度してありません。

「朝ご飯、これから支度するの?」

「たまには駅前の喫茶店でモーニングセットでも食べよう」

「うん……良いね」

わたしは自分の部屋に戻って服を着替え、リップを塗りました。
お別れの日だというのに、これからデートが始まるように、
胸が沸き立っていました。

階段を下りていくと、お兄ちゃんが下で待っていました。

「ああ……それ、こないだ買ったワンピースだな。
 これから旅行に行くみたいだ」

わたしはお兄ちゃんに、笑い返しました。

「駅までね」

肩を並べて、バス停までの道のりを歩きました。

「明るい時に見ると、夜の散歩の時とはぜんぜん違って見えるな」

「うん。なんだか、違う国の違う街みたい……」

「今度帰って来た時は、また少し変わってるのかな。
 お前も背が伸びてるだろうし」

「冬休みまで、4ヶ月しかないよ?」

「お前は今が成長期だぞ。一気に背が伸びて追いつかれるかもな」

「そんなわけないよ〜」

この時、お兄ちゃんとの身長差は25センチ以上ありました。
バスが来ました。乗り込んでみると、空いた席は1つしかありませんでした。

「座れ」

「いっしょに立ってる」

「いいから座れって。ふらふらしてるの見てると危なくてたまらん」

わたしは仕方なく腰を下ろしました。
次のバス停で腰の曲がったお婆さんが乗ってきたので、
わたしは席を立ちました。

「席なくなっちゃった」

「しょうがないな……」

お兄ちゃんは吊革を掴んでないほうの手で、わたしの肩を押さえました。
わたしは手すりを握っていましたが、バスが大きく揺れるたびに、
自然とお兄ちゃんの胸にぶつかりました。

「お前……1人でバスに乗ってる時はどうしてるんだ?」

「手すりにつかまってる」

「揺れるたびにひっくり返りそうで見てて恐いよ」

「……たまに、席を譲られることある」

お兄ちゃんが笑い声をあげました。
席に座っている人が振り向くくらい大きな声だったので、
わたしはお兄ちゃんの脇腹をぎゅっとつねりました。

「痛っ!」

「他のお客さんに迷惑」

「少しは手加減しろよ……」

駅前のロータリーでバスを降りました。
セルフサービスのカフェで、サンドイッチモーニングセットを2人前。
お兄ちゃんはハムサンド、わたしはツナサンドです。

わたしは砂糖を入れる前に、濃いコーヒーを一口飲んで顔をしかめました。

「砂糖を入れないのか?」

「お砂糖入れる前に、一口飲む習慣なの」

「なんでそんなことするんだ……?」

お兄ちゃんは理解できないといったふうに、首を傾げました。

「砂糖もミルクも入れないで飲むと、美味しいかどうかわかるから」

いつもブラックで飲むお兄ちゃんは、ふーんと言ってカップに口を付けました。
本当は、お兄ちゃんの真似をしただけでした。

「半分食べて。お兄ちゃん、それだけじゃ足りないでしょ?」

わたしはツナサンドの皿を押しやりました。

「お前、それっぽっちで足りるのか?」

「お兄ちゃんみたいに食べられないよ。
 お兄ちゃんは、いつもわたしの3倍は食べてる」

「まぁ……俺も育ち盛りだからなぁ……それぐらい普通だ」

わたしはサンドイッチを一切れ手にとって、差し出しました。

「それとも、『あ〜ん』ってしてほしい?」

「ば、ばかっ。恥ずかしいことすんなよ!」

お兄ちゃんはわたしの手から、素早くサンドイッチを奪い取り、
口に入れました。
赤くなったお兄ちゃんの顔を見て、わたしはくっくっと笑いました。

お兄ちゃんはサンドイッチを呑み込んで、言いました。

「○○……今日ははしゃいでるな。こんなの始めてじゃないか?」

「……変、かな?」

「変……ってことはないけど、ワケがわからない。
 いつも、別れる日はもっと沈んでただろ?」

「うん……わたしにも、よくわからない。
 最近、お兄ちゃん、わたしを避けてたでしょ?」

「それは……」

「でも、ゆうべいっしょに散歩して、そうじゃない、ってわかったから。
 お兄ちゃん、わたしが嫌い?」

「そんなわけないだろ」

「だったら……それで十分」

目をつぶると、熱いものが胸にこみ上げてきました。

(続く)

【5】●ここでの連載004●再掲載
2001年12月30日 20時23分34秒 - お兄ちゃん子
【93】●ここでの連載004●
2001年12月25日 20時46分12秒 - お兄ちゃん子<>
(69の続き)

わたしも立ち上がって歩み寄り、空き缶をゴミ籠に入れました。

「○○、もう帰るか?」

「ずっと、歩いていきたい」

本心でした。このまま歩き続ければ、夜は終わらない気がしました。
見上げるわたしの目を、お兄ちゃんが見返しました。
自動販売機の明かりに浮かぶお兄ちゃんの姿は、彫像のようでした。

「それは……無理だろ」

深いため息のような声でした。

「お前も俺も、じきに大人になる……もう子供でもないしな」

わたしは答えず、何かに引き寄せられるように、
お兄ちゃんの肩に顔をくっつけ、広い背中に両腕を回しました。

わたしは泣いてはいませんでした。
でも、身を寄せてもまだ、お兄ちゃんとのあいだに隙間があるようでした。
お兄ちゃんの手のひらが、わたしの背中をぽんぽんと叩きました。

「心配すんな……。
 いくつになっても、離れていても、お前はたった1人の妹だ。
 どうしても助けて欲しいことがあったら呼べ。
 どんな時でも、どこに居ても、すぐに助けに行く」

静かな、何でもない声でした。でも、冗談には聞こえませんでした。

「誓って、くれる?」

誓う、ということは、わたしにとって、特別な重みがありました。
どんなことがあっても破らない約束、という意味です。
そのわたしの考えを、お兄ちゃんは以前から知っていたはずです。

「ああ」

当たり前のことを訊かれたような、あっさりした答えでした。
わたしはお兄ちゃんから身を離して、背を向けました。

「わかった……帰ろう、お兄ちゃん」

帰り道は、来たときの道を逆方向に歩いているだけなのに、
違った景色に見えました。

「お兄ちゃん」

「なんだ?」

「また、散歩したいね。わたしが元気になったら、夜のあいだずっと」

「夜行性だな。不審人物め。昼間はダメなのか?」

「散歩は夜するものだよ。昼間は暑すぎるから。砂漠の民の常識」

お兄ちゃんは笑いながら言いました。

「いつから砂漠になったんだここは……ラクダに乗っていくのか?」

「つーきのー、さばーくをー、はーるーばーるとー♪」

わたしは調子外れの声で、歌いだしました。
わたしの下手くそな歌声を聴いているのは、お兄ちゃんだけです。
お兄ちゃんがよく通る声で、唱和しました。

「たびのー、らくだがー、ゆーきーまーしたー。
 きんとー、ぎんとのー、くうらー、おーいてー、
 ふたつー、ならんでー、ゆーきーまーしたー♪」

続きの歌詞がわからなくなって、最初のほうだけ何度も繰り返しました。
握った手と手を、曲に合わせて前後に振りながら。

「お兄ちゃん、わたしたち変だね」

「くっくっく、変だな」

「人が見てたら、気が狂ったと思うかな?」

「かもな」

家に着きました。歩いていたせいで、体が温まっていました。
階段を上って、ドアの前でお兄ちゃんと向かい合いました。

「お兄ちゃん、明日は……早い?」

「ん……明日は早く発つよ。お前はゆっくり寝てればいい」

「いや。見送りに行く……駅までなら、良いでしょ?」

「お前もはっきり言うようになったなぁ……」

「駅で泣いたりしないよ。わたし、泣かないことに決めたから」

「……無理すんなよ? 泣ける時は泣いといたほうがいいぞ」

「こんなことで泣かないよ」

わたしは笑顔を見せました。上手く笑えた、と思います。

「お兄ちゃん、おやすみなさい」

「おやすみ」

わたしは部屋に入って、扉を閉めました。
本当に、悲しくはありませんでした。
苦しいような、熱いような、もやもやしたものが胸に満ちていました。

わたしはパジャマに着替え、ベッドに入りました。
長いこと歩いた疲れが出てきたのか、わたしはすぐに眠りに落ちました。

翌朝早く、丸まって寝ていたわたしは、肩を揺らされました。

「○○、起きるか?」

「起きる!」

わたしは向き直って、目をぱっちり開けました。
窓のカーテンを開けると、まぶしいくらい晴れていました。

(続く)

【4】●ここでの連載003●再掲載
2001年12月30日 20時23分2秒 - お兄ちゃん子
【69】●ここでの連載003●
2001年12月23日 21時18分56秒 - お兄ちゃん子<>
(43の続き)

「ん〜、飲み過ぎたみたいだ。夜風に当たってくる」

お兄ちゃんはふらついてはいませんでしたが、声がうつろでした。
わたしはアルコールのせいか、動悸がしていました。

「わたしも行く」

あわてて立ち上がると、軽い眩暈がしました。
お兄ちゃんがわたしの二の腕を掴んで、支えてくれました。

「お前は先に寝てろよ」

「行く」

「危ないだろ?」

「行く」

「……はぁ、しょうがないな。じゃ、着替えてこい」

「待ってる?」

「待ってる」

わたしは2階に上がって、外出着に着替えました。
パジャマのボタンを外すのに、やけに時間がかかって焦りました。

下りていくと、お兄ちゃんは玄関で靴を履いていました。
お兄ちゃんの後を追って外に出ると、火照った肌に夜気が当たって、
顔や腕がぴりぴりと痺れるようでした。

お兄ちゃんとわたしは、あてもなく歩きだしました。
やがて広い道に出ました。
白や赤の車のランプがひっきりなしに行き過ぎました。

いつもなら、わたしの歩くペースに合わせてくれるのですが、
今日のお兄ちゃんは、わたしより先に歩いていきました。
わたしはお兄ちゃんの背中だけを見て、早足で追いかけました。

お兄ちゃんはふと立ち止まり、右手を斜め後ろに差し出しました。
わたしは追いついて、その手を取りました。

わたしは引っ張られるように、夜の道を歩きました。
見上げても、まとまってない髪が邪魔をして、
お兄ちゃんの横顔はよく見えませんでした。

風はあまりなく、空の星も月も雲に霞んでいました。
台風が来れば良い、と思いました。
激しい雨と風のなかを、ずっとこのまま歩き続けたい、と。

お兄ちゃんが立ち止まり、振り向きました。

「事故だ」

向こうのほうに、パトカーが停まっていました。
前が潰れた白い乗用車が、道の端にうずくまっています。
警官2人と関係者らしい人が、そのそばで何か話しているようでした。

「脇道に入ろう。酔ってるのがばれると拙い」

お兄ちゃんとわたしは、右に折れて細い道に入りました。
街灯もまばらにしかない、暗い道でした。

お寺のような大きな家の前を通ったとき、
中からいきなり犬に吠えかけられました。何頭もの大きな犬でした。
わたしは思わずすくみ上がって、お兄ちゃんの手を固く握りました。

「だいじょうぶ。出て来れないよ」

お兄ちゃんはくすっと笑って、足早にその家を通り過ぎました。
しばらく行くと、道路脇に大きな庭石のような岩が置いてありました。

「まだ犬が恐いのか?」

「少し……」

犬の前に立つと、それが子犬でも思わず体が緊張してしまいます。
お兄ちゃんはわたしを岩に座らせて、
道の向かい側にあった自動販売機で缶コーヒーを2本買いました。

お兄ちゃんが缶のプルタブを開けてくれました。
わたしは手の爪が弱くて、道具がないとプルタブを開けられないのです。

妙な甘みのする不味いコーヒーでしたが、冷たくて目が覚めました。
お兄ちゃんも庭石に腰を下ろし、コーヒーを飲み始めました。

「……○○」

「なに?」

「こうやってお前といっしょに歩けるのは、いつまでだろうな」

どことなく、過ぎ去った遠い昔を懐かしむような声音でした。
わたしは声に力を込めて、言いました。

「ずっと」

「そうだったらいいけどな……。
 お前もいつか、彼氏ができるだろ。
 大人になって、結婚して、子供を産んで……ちょっと気が早すぎるか」

お兄ちゃんはひとりで笑いました。

「そうなったら、俺のことより旦那や子供のことが大事になる」

「わたし、結婚しない。子供も欲しくない」

「……どうして?」

「わたし、変わってるもの。相手なんか居ないと思う」

「今からじゃわからないって……。
 これから色んな出会いがあるさ。お前にも」

「お兄ちゃんも?」

「ん……たぶんな」

お兄ちゃんは立ち上がって、空き缶をゴミ籠に捨てました。

(続く)

【3】●ここでの連載002●再掲載
2001年12月30日 20時22分26秒 - お兄ちゃん子
【43】●ここでの連載002●
2001年12月22日 20時51分33秒 - お兄ちゃん子<>
(34の続き)

それからのわたしは、ぼんやりすることが多くなりました。
お兄ちゃんに名前を呼ばれても、しばらく気がつかないくらいに。

日曜学校に行ったり、挨拶やふつうの会話をしていたはずなのに、
どれも記憶からすっぽり抜け落ちています。

お兄ちゃんが田舎に戻ってしまう前日の夜、
晩ご飯の席で、わたしはお兄ちゃんに呼びかけました。

「お兄ちゃん……」

「ん、なんだ?」

お兄ちゃんが顔を上げて、わたしを見ました。

「…………」

問い返されても、なんと口にしたら良いのかわかりません。
このままではいけない、と理解してはいましたが、
うっかりしたことを口走ったら、何もかも終わってしまう、
そんな不安が喉を締めつけていました。

「どうした?」

お兄ちゃんは怪訝そうな面持ちで、わたしの顔を覗き込みます。

「……なんでもない」

わたしはやっとのことで、ため息のように言葉を吐き出しました。
わたしが目を逸らして食事を続けているあいだ、
お兄ちゃんはじっとこちらを見つめているようでした。

口に入れた物の味が舌に感じられない、重苦しい食事が済んで、
お風呂に入りました。わたしが先で、お兄ちゃんが後でした。
「いっしょに入りたい」と言える雰囲気ではありませんでした。

パジャマに着替えて部屋に戻り、ベッドの上でごろごろ転がりました。
なんとかしないと、このままお兄ちゃんは田舎に行ってしまう……
そんな焦燥感がわたしを突き動かしました。

わたしは部屋を出て、階段を下りました。
リビングに入ると、お兄ちゃんが生乾きのカールした髪を垂らして、
ソファーにもたれていました。

お兄ちゃんはクリスタルグラスを手にしていました。
テーブルには、ウイスキー瓶とピッチャー、氷を盛った籠が載っています。
グラスに入っているのは、ウイスキーと氷だけのようでした。

「お兄ちゃん」

お兄ちゃんはハッとしたようでした。
わたしは足音を立てないで歩く癖があるので、
すぐそばに近寄るまで気づかれないことがよくあります。

「○○か……お前も飲むか? アルコールは拙いんだっけ?」

お兄ちゃんがわたしにお酒を勧めたのは、これが初めてでした。
お兄ちゃんはお酒を飲んでも顔色が変わらないので、
酔っているかどうか、さっぱりわかりません。

「別に、腎臓には悪くないと思う」

腎炎でも度を過ごさなければ、アルコールには食欲増進の効果があります。
もちろん、お兄ちゃんもわたしも未成年だというのは、別の問題です。

「まぁ座れ。作ってやる」

お兄ちゃんはリビングボードからもう1つグラスを取り出して、
氷を入れ、ウイスキーを水で薄めました。

わたしはお兄ちゃんの隣に腰を下ろしました。
受け取ったグラスの中身は、薄い琥珀色でした。

「薄ーくしたけど、一気に飲むなよ?」

わたしは思い切って、グラスに口を付けました。
苦さと辛さが入り混じったような味でした。
喉を通るときに、ひりひり灼けるような感じがして、
お腹の中がぱあっと温かくなりました。

「どうだ?」

「……からい」

よく見ると、お兄ちゃんの目つきがとろんとしているようでした。
でも、以前と同じ、優しげな目でした。

「テレビもつけないで、お酒ばっかり飲んでたの?」

「うー、お前絡み酒か? 勘弁してくれ。
 いっしょにまた『台風クラブ』でも観るか?」

お兄ちゃんといっしょに『台風クラブ』を観るのは、これで5〜6回目でした。
ストーリーは頭に入っていましたが、何度観ても映像と音楽に心がざわめきます。

わたしはちびちびと1杯飲んだだけでしたが、
お兄ちゃんはそのあいだもグラスを重ねていました。

ビデオが終わると、わたしは「うにゃ〜」と言って、
お兄ちゃんの肩にもたれかかりました。

お兄ちゃんが指で首や顔をくすぐってきたので、
わたしはお兄ちゃんの人差し指を噛んで、指先をぺろぺろ舐めました。

お兄ちゃんは「お返しだ」と言って、わたしの右手を取り、
口に入れました。人差し指から小指まで全部、入ってしまいました。

舌の感触に驚いてわたしが指を引き抜くと、お兄ちゃんは立ち上がりました。

(続く)

【2】●ここでの連載001●再掲載
2001年12月30日 20時21分46秒 - お兄ちゃん子
【34】●ここでの連載001●
2001年12月22日 12時10分41秒 - お兄ちゃん子<>
(www2.bbspink.com/test/read.cgi/hneta/1007531556/587の続き)

どきーん、と心臓のあたりに衝撃が走りました。
右手が熱を持ったようになって、体中が熱くなってきました。

「……だいじょうぶか?」

耳許でお兄ちゃんの囁く声がしました。
わたしは黙って前を向いたまま、何度もうなずきました。

喉がからからに渇いて、スクリーンを見ていても意味がわかりません。
わたしはストローをくわえ、冷たいジュースをごくごくと飲みました。

スクリーンに幕が下り、照明が点きました。
観客が立ち上がって、ざわめきながら出口に向かいます。
人の群れが少なくなってから、わたしとお兄ちゃんはロビーに出ました。

「面白かったな……どうした?」

わたしは顔をしかめ、こめかみを押さえていました。
数時間も閉め切った空間にいたせいか、頭痛がしていたのです。

「ちょっと……頭が痛い」

「我慢できるか?」

「うん……外の空気吸ったら、治ると思う。
 先に、トイレ行ってくる。ここで待ってて」

わたしはお兄ちゃんをソファーに座らせて、トイレに行きました。
用を足してからハンカチを水で絞り、額を冷やしました。

お兄ちゃんと肩を並べて映画館を出ると、熱気が顔に当たりました。
と、いきなり知らない男の人から、声をかけられました。

「おっ! ××じゃないか?」

お兄ちゃんは立ち止まって、その男の人の名前を呼びました。
どうやらお兄ちゃんの知り合いらしい、とわかりました。
男の人は親しげに笑って、話し始めました。

「久しぶりだなぁ、いつこっちに帰ってきたんだ?」

「いや、夏休みだから里帰りしてるだけ。高校はあっちだよ」

「そっかぁ……また遊びたいとこだけど、お邪魔か?」

男の人は、いわくありげな目をしてわたしを見ました。
お兄ちゃんは視線を遮るように前に出て、言いました。

「何考えてんだ? これは俺の妹。誤解すんなよ」

「ほぉー、あの愛しの妹君かぁ。紹介してくれるんだろ?」

男の人はにやにやしています。

「大事な妹を、オマエみたいな遊び人には紹介できんなー。
 ちょっかい出したら殺すぞ?」

「こっわー。マジになんなよ。妹君が怖がるだろ?
 まぁ暇が出来たら連絡しろよ。電話番号変わってないから」

何が可笑しいのか、男の人はひとりで笑いながら去って行きました。
わたしは自己紹介もできず、きょろきょろしていました。

「お兄ちゃん、今の人、お友達?」

「ああ、昔のな」

「自己紹介しなくて良かった?」

「要らん要らん。あいつは悪ふざけが大好きなんだ。
 今度どこかで会って声かけられても、付いてくんじゃないぞ?」

「うん」

お兄ちゃんの友達から、お兄ちゃんの話を聞いてみたいな、
と思いましたが、先に釘を刺されてしまいました。

「これからどうする? ぶらぶらして晩飯食って帰るか?」

「まだ頭が少し痛いし……もう帰りたい」

「そっか、じゃあ美味しいモンでも買って帰ろう」

駅前のケーキ屋で、わたしの好きなショートケーキを買いました。
お兄ちゃんの態度はいつもと変わりがないようで、どこか違って見えました。

あるいは、変なのはわたしのほうで、お兄ちゃんはいつも通りだったのか、
それとも、2人ともおかしかったのかもしれません。

今までお兄ちゃんと一緒だと、安心してホッとしていたのに、
どこかに、言葉にすることのできない微妙な緊張感がありました。

電車の中で、お兄ちゃんが尋ねてきました。

「○○、映画、面白かったか?」

「うん、CGが迫力あった。恐竜が生きてるみたいだった。
 原作の細かい説明が、ほとんどなくなってたのは残念だけど、
 仕方ないね」

「なんだ、原作読んでたのか」

「文庫本で2冊。こないだ読んだ。お兄ちゃんも読む?
 カオス理論の話とかあって、面白いよ」

「じゃ、後で貸してくれ。寝る前に読んでみる。
 俺が田舎に戻る前に、読んでしまえればいいけど……」

「お兄ちゃん……いつ出発?」

「あと、2〜3日したらな」

「そんなに……早く?」

「ん……ああ。あっちでの用事もあるんだ」

お兄ちゃんはやっぱり、わたしを避けているんじゃないだろうか、
そう思ってわたしは顔を伏せました。

(続く)

【1】再出発です。
2001年12月30日 20時20分43秒 - お兄ちゃん子
以前の掲示板が突然消滅しましたので、似た掲示板を探しました。
連載だけ再投稿しておきます。


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