【25】●ここでの連載010● |
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2001年12月31日 21時35分41秒 - お兄ちゃん子 |
(【10】の続き)
「おごりですから、気にしないでください」
「こんな高いモノ頼んだら余計気にするよ。せめて割り勘にしよう?」
「お詫びですから、そういう訳にはいきません」
「Uに知られたら殴られちゃうよ〜」
「Uには黙っていてあげます。ここは大人しく、おごられてください」
Yさんのうろたえぶりが可笑しくて、わたしはにっこりしました。
程なくして運ばれてきた、2つのチョコレートパフェを前にして、
Yさんは神妙な目つきで、わたしの手元を見つめました。
わたしは長いスプーンを手に取って、尋ねました。
「食べないと、溶けちゃいますよ?」
「そうなんだけど……初めて食べるモンだから、
どんな風に食べたらいいのか見ておこうかな……って」
「じーっと見られてると、食べにくいんですけど……」
「あ、それもそうか」
Yさんはスプーンを握り、ざくざくとパフェに突き刺しました。
「Yさん、デートするのは初めてですか?」
「デ、デート? これって、デートなのかな?」
「客観的には、デートにしか見えないと思います」
「そう……Uの買い物にはよく付き合わされるけどね。
情けないけど、デートするのは初めてだ」
「わたしもです」
「そう? その割には落ち着いてるね」
うろたえている人を目の前にすると、反動で平静になってしまう、
とは言えませんでした。
「お兄さんとだと、緊張しないんです」
「アハハ、そう、ありがと」
パフェを平らげてしまうと、口の中に甘みが残りました。
「美味しかった……」
「美味かった……これからどうしよう? もう少しぶらぶらする?」
「あと1つ……見ておきたい物があります。その前に……」
わたしは席を立って、レジのほうに歩いて行きました。
レジの前のガラスのショーケースに、ケーキが並んでいます。
「ここはアップルパイも美味しいんです」
わたしは会計を済ませ、アップルパイを丸々1個買って、
Yさんに持たせました。
「これはUへのお土産です。みなさんで食べてください」
「至れり尽くせりだけど……なんかこれって立場が逆じゃない?」
「男も女も関係ないと思います」
「う……」
渋るYさんの先に立って、わたしは歩きだしました。
目的地は、ファンシーショップでした。
「○○ちゃん、俺、外で待ってていいかな?」
Yさんは女の子だらけの店内に、気後れしているようでした。
「奥には入りません。
お兄さん、どの色が良いと思います?」
わたしは外側の陳列棚に吊してあった、可愛いキャラクター入りの
リップクリームの列を、指さしました。
Yさんは真剣に考え込んで、答えました。
「そうだなぁ……○○ちゃんは色が白いから、これかな」
「Uだったら、どれが似合うと思います?」
「U? あいつまだ化粧してないと思うけど」
「わたしもめったにしません。Uもこれからは、するようになると思います」
「じゃあ……こっちかな?」
「付いてきてください」
わたしは2本のリップクリームを外して、中のレジに並びました。
「お兄さん、払ってください」
Yさんはあわてて財布を取り出しました。
わたしは店員さんに、リップを別々に包んでもらうように頼みました。
店を出て、Yさんが言いました。
「どういうこと?」
「1本は、初めてのデートの記念品です。
もう1本は、Uへのお土産です。
お兄さんが選んで買ったものだって、渡してください」
「ええっ? 妹にお土産なんて、変じゃない?」
「変じゃない、と思います。わたしのお兄ちゃんは、
よくお土産を買ってきてくれました。嬉しかったですよ。
お兄さんは、Uにプレゼントするのが、嫌ですか?」
「いやまぁ……嫌ってことはないけど、照れるよ」
「我慢してください。それじゃ、デートはそろそろ終わりです」
「え、もう帰るの?」
「たぶん、Uが待ってると思います。
最後に、お兄さんに言っておかないといけないことが、あります」
(続く)
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【26】今年はいろいろなことがありました。 |
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2001年12月31日 21時37分30秒 - お兄ちゃん子 |
物心ついてから、何ごともなく過ぎた年は無かったような気もします(笑)。
今年最後のカキコとして、一言だけ。
マターリした「兄弟姉妹の想い出」スレを崩壊させる原因を作ったのは、
わたしでしょう。そのことについて、弁解するつもりはありません。
モエバナを提供してくださっていたコテハンの方々、
それを楽しみにしていたROMの方々(煽り荒らしを除く)に、
心から謝罪いたします。
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【29】Re:●ここでの連載010● |
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2001年12月31日 23時50分8秒 - |
>26
>「兄弟姉妹の想い出」スレを崩壊させる原因を作ったのは、わたしでしょう。
私は、「数多くある原因の一つ」、と判断しましたが。
何も意図しないでネタを書き込んで、スレ崩壊の原因を全て押しつけられたのでは、
お兄ちゃん子さんと同様にネタを書き込んだ人も同罪になりはしないですか?
スレ崩壊の責任は、あの場所に書き込んだ人全員で均等に割れば丁度いいんじゃないですか?
煽りや荒らしは、他の人と比べて二倍以上の責任があるとは思いますが。
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【30】Re:●ここでの連載010● |
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2002年1月1日 0時44分47秒 - ゴロちゃん |
お兄ちゃん子さんあけおめことよろー!
今年も連載がんばってくださいね。
今日は徹夜で2ちゃんねる・・・さびしい
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【31】すいませんが、言わせて下さい。 |
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2002年1月1日 2時18分22秒 - 名無しさん |
いいえ、お兄ちゃん子さん。
貴女の言い分は間違っていると思います。
まず、原因は煽り荒らしの所業に耐え切ず、
彼らを放置し切れなかった、貴女を含む住人全員です。
そして、あのスレは崩壊せず、
現在持ち直しつつあります。
ここを見ている元コテハンの方々に戻れとは言えませんが、
ぜひとも一度はその様子を見て頂きたいと思います。
残念ながら私は見守る事以上の事は出来ませんが、
どちらも応援しています。
このカキコ内容はこちらの不文律に抵触しているかも知れませんが、
貴女のカキコに便乗してでも、
これだけは言うべきだと思ったのです。
新年早々、乱文失礼致しました。 |
【32】Re:●ここでの連載010● |
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2002年1月1日 7時56分49秒 - 消失老 |
「兄弟姉妹の想い出」スレッドが荒れた事については、確かにお兄ちゃん子さんの存在も
かなり大きな要因だったとは思います。率直に言って、2ちゃんねるのような匿名掲示板に
あっては、お兄ちゃん子さんの個性は強靭にすぎたかもしれません。
ただ、この種の世間の大勢に反する面のある、ある意味でインモラルな話題を扱うスレッドは、
もともと煽り荒らしの類に目を付けられやすい面があるようにも思います。その意味では、
スレッドに愛着を持つ参加者は、みな等しくそのような闖入者に適切に対処する必要が
あったのであって、場が荒れてしまった責任を問うとしたら、それはやはりスレッド参加者全員に
帰するしかないのではないかと思います。
また、これは【31】の方に先を越されてしまいましたが、あのスレッドは、踏みとどまって
萌えバナを提供されている数名の固定ハンドルの方の尽力によって、本来の趣旨を
取り戻しつつあるようにも思えます。あるいはお兄ちゃん子さんに他意は無かったかとも
思いますが、それを「崩壊した」と断言してしまうのはいささか問題があるようにも思えます。
ただ、それはそれとして、責任を感じられているお兄ちゃん子さんの意志は尊重されるべきでは
あります。その上で、願わくば、お一人だけで重荷を背負い込まず、私たちにも分かち合える
事があるのならば、お力になれれば嬉しく思うのも、私の正直な気持ちです。
さて、気を取り直して今回のお話の感想ですが。
U嬢向けのプレゼントまでY兄に持たせて、なんだかお兄ちゃん子さんは余裕綽々のような
雰囲気でもありますね(^_^;。う〜ん、Y兄さん、年上の威厳って何?という状態ですけど、
そこが彼の親しみやすさでもあるのかしら。
さて、末尾にて失礼ながら、お兄ちゃん子さんならびにこちらの掲示板にお集まりの皆さま、
本年もどうぞよろしくお願いいたします。お兄ちゃん子さんには、どうぞご自愛なされつつ
この物語を綴られていただきたく。
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【33】31さん、ありがとうございます。 |
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2002年1月1日 15時27分35秒 - お兄ちゃん子 |
>31 名無しさん
>そして、あのスレは崩壊せず、現在持ち直しつつあります。
情報ありがとうございます。
27日に、スレが過去ログ倉庫に落ちたのを見て、がっかりしていました。
復活していたのですね。新年早々、嬉しいニュースです。
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